習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ベクシル 2077日本鎖国』

2007-08-10 20:51:18 | 映画
 前半はなかなか面白かった。10年間誰も足を踏み入れたことのない鎖国下の日本に潜入して、そこにあっと驚く風景を見てしまう、というところまでは、ドキドキする。しかし、そこまでだ。それから先は全くつまらなくなり、ラストに至っては、ただの勧善懲悪かよ、というくらいに低レベルな映画になってしまい、がっかりである。  しかも、「お前は『トランスフォーマー』か!」と怒鳴りたくなるくらいのいつまでも続く戦闘シ . . . 本文を読む
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『怪談』

2007-08-10 19:45:33 | 映画
 小林正樹の傑作『怪談』は3時間に及ぶ超大作である。恐ろしいだけでなく、美しくも哀しい愛の物語でもある。中田秀夫が『怪談』を撮ると聞いた時、ラフガディォ・ハーンの原作からいったいどのエピソードを撮るつもりなのか、興味津々だった。なのに、これは八雲の原作ではなく、円朝の落語『真景累ヶ淵』の映画化だったのだ。この思い切ったタイトルのもと何度も映画化されたこの話を従来の映画化とは違い、後半部分も含めての . . . 本文を読む
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『インランド・エンパイア』

2007-08-10 19:36:00 | 映画
 ようやく見ることができた。何より早く見たかったのに、いつまでも見れないまま今日と言う日を迎えた。待ちに待った久々のデビット・リンチ最新作である。  まだ、十代だった頃、大学の帰りにいつものように、河原町周辺で映画を見た。あの頃は毎週1度は一乗寺の京一会館に行き、3本立(ポルノの時は、なんと4本立だった)を見て、週に2,3度はロードショーや名画座に入って過ごしていた。大学に行っていたというよりも . . . 本文を読む
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『アヒルと鴨のコインロッカー』

2007-08-10 18:12:13 | 映画
 これはとてもよく出来た映画だ。なんだかよく解らないまま、とても小さな作品世界に引き込まれていき、たった数人で完結する世界の不思議な絆の中で翻弄されていく。  お話のトリックがよく出来ているだけでなく、主人公達の内面世界も、しっかり描き込まれているから、仕掛けで見せるだけでなく、切ない人間ドラマとしても成功している。そんなことは当たり前のことかも知れないが、それってなかなか難しく、うまくいってい . . . 本文を読む
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