久しぶりに椎名さんの本を読んだ。相変わらずで楽しかった。世界を飛び回り、原稿に追われて、バカしてる。正直言うともう椎名さんを読んでも、なんら新しい発見がないから、読む気にならなかったのだが、最近疲れてるのであまり何も考えなくていいものが読みたかったので、読んでよかった。
懐かしい。考えてみれば、椎名さんの本は200冊くらい読んでいる。書くほうも書くほうだが、読むほうも大概である。
『たき . . . 本文を読む
このミステリーは、演じることについての、ありとあらゆる仕掛けを用いて見せてくれる。何が本当で何が嘘なのか、いったい何を描こうとしているのかすら、よく分からないまま、いくつもの話が並行して、綴られていき、それがラストでようやく一つになる。(が、あまりカタルシスがない)
『中庭の出来事』という芝居が、劇中劇として、描かれる。分量的にはかなりあり、この中にこの小説が、納まってしまうくらいだ。芝居の . . . 本文を読む
連続ドラマの続きを見ているように、さらに4エピソードが語られていく。TVドラマなら、このままずっと視聴率が落ちるまで続いてもいい。軽く読み流すことが出来る。とても心地よく。
シリーズ第2弾。今回も4話構成1年の出来事。ラストでついにマードックさんと藍子が結婚式を挙げる。めでたしめでたしである。昔のドラマはいつも、こういう大団円である。予定調和が美徳だった。この小説はそんな時代へのオマージュだ . . . 本文を読む
舞台中央には0014と書かれたグリーンの箱。台湾の軍隊で使われているものらしい。それをテーブルにして使う。後ろに置かれた椅子に座る女。コの字型に組まれた背景の美術は、オレンジを基調のした禍々しい雲。無表情な女の口の中に水を入れていく。どんどん入れていく。溢れてくる。さらには、水が入っていたボトルを口に突っ込む。顔に布がかぶせられる。
絵画、オブジェ、人。それらが一体となって、一つの世界を作り . . . 本文を読む