『ただ、君を愛してる』の新城毅彦監督の第2作である。前作に続いて主人公は死んでいく。ここには、愛する人が死んでいくことをただ見つめることしか出来ない無力さが、根底にある。
そのことに対して主人公たちは何の抵抗もしない。諦めているわけではない。しかし、その運命に抗ったとしても変えることは不可能なのだ。あらかじめ決められていたのならば、受け入れるしかない。受け入れた上で、どう生き、そして死んでい . . . 本文を読む
これをつまらない映画だと言うつもりはないが、衝撃的な事実だと、思ったりもしない。このくらいのことは、この世界では充分起きているだろうと想像はつく。僕らは既に悪夢に対して悲しいかな、それくらいの免疫が出来てしまっているのだ。
ビクトリア湖に巨大魚が発生して、それが異常繁殖することで、それまでは200種程いた魚は絶滅し、生態系を崩してしまう。しかし、そんな魚の輸出によって現地の人々は潤う。もちろ . . . 本文を読む
前半はドキュメンタリータッチで認知症を患った老人たちの生活を追いかけていく。この重い話を客観的な描写で淡々と見せていく。しかし、後半は一転して、ファンタジーのようになっていく。33年前に死んでしまった妻の墓を捜すため、認知症の老人と、子どもを亡くしたばかりの若い介護士が、森の中を旅する。この2人だけの話になる。
この後半部分、2人が鬱蒼たる森の中をどんどん行くシーンを見ていて、最初は日常の延 . . . 本文を読む