西島秀俊主演の『休暇』の脚本を書いた佐向大による劇場用映画第1作。自主映画を何本か撮っているようだが、満を持しての監督プロデビューだ。かなり期待して見た。結果は、まずまずの仕上がりでほっとした。
しかし、本当言うと、打ちのめされるような傑作と出会えるのではないか、とも期待していたから、そう言う意味では期待はずれだ。低予算の映画であっても作り手の熱意と明確なビジョンがあれば、デビュー作で大ブレ . . . 本文を読む
久々に拙い芝居を見た。ミステリ仕立てになってはいるけど、(しかも、このタイトルだし)これじゃぁミステリとは言えない。まぁ作り手の方も、そんなつもりはないようだ。ならば、ミステリ作家を主人公にした会話劇なのか、というと、それにしては特別意味のある会話でもないし、話もまるで広がっていかないから退屈だ。どうでもいいことをだらだら見せるための芝居、というわけでもない。
書けない作家がアシスタントや、 . . . 本文を読む
この重くて暗い映画をアンジェイ・ワイダはどうしても作りたいと思ったのだろう。これを作らないことには死んでも死にきれない。祖国があの戦争で失ったもの。その痛み。ずっとひきずりながら生きてきた歳月。ポーランドがポーランド自身として、生きていくための歴史をこの1本の映画を通して見つめようとする。渾身の力作である。
ソ連の支配下で生きてきた50年に及ぶ社会主義国としての歴史は、戦後ではなく戦争の続き . . . 本文を読む