台北にある大きな本屋が舞台になる。何度か行ったことがあるところなので、それだけでこの映画になんだか親しみが感じられる。主人公はその本屋の店員と、そこで座り読み(台湾の人は本屋で平気で地べたに座り込んでいる!)している男。そんなほとんど見知らぬ男女が、偶然から、台北の街を走り抜けることになる青春映画。
台北の街が生き生きと捉えられるのがいい。期待した映画とはちょっと感じが違って、少しがっかりし . . . 本文を読む
こういうミステリータッチのイラン映画を見るのは初めてだ。今までは、どちらかといえば、キアロスタミをはじめとして、どちらかといえばアート映画に分類できるようなもの(児童映画とも言える)しか、日本には入ってこなかったから、これはとても新鮮だった。
学生時代からの仲間で今も家族ぐるみでつき合う友だち同士が夏のバカンスにやってくる。車を3台連ねて、カスピ海のリゾート地にある別荘に来る。2泊3日の . . . 本文を読む
このタイプの映画や小説は枚挙に暇がない。先日の『チョコレートの町』もそうだし、故郷と東京という図式で、単純に故郷を持ち上げるのではなく、過去と今のせめぎ合う中から、自分の未来を見つめるというのは、ある種の定番だろう。疲れた体に心地よい映画が見たくて、この映画にした。つまらない可能性も多々あるが、よさこい祭りの纏(旗振り)なんていうのを映画の中心に据える。そんな今時の映画にはあるまじき地味さに期待 . . . 本文を読む
こんなにも暗くて思い話をよく書くよな、と思う。重松清のまじめさ、その使命感には、少し腰が引けてしまう。出来ることならここから目をそらしてしまいたい。だけど、そうするわけにはいかないから、しっかり最後までこの小説と向き合う。それは先日見たアンジェイ・ワイダの『カティンの森』に関してもいえることだ。これを見つめることは人間としての義務だと思う。
嫌なことから、目を背けて、見て見ぬふりすることで、 . . . 本文を読む