習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

くじら企画『山の声』

2011-01-26 21:58:24 | 演劇
 涙が溢れて止まらなかった。大竹野正典追悼公演の最終夜となる本作品の最後のステージを目撃した。日曜のマチネー、超満員の客席で大竹野正典作、演出『山の声』を見た。  吹雪の中、帰り道を求めて佇む加藤文太郎(戎屋海老)の姿が、大竹野本人と重なる。この作品は山歩きに嵌ってしまって、しばらく芝居をしていなかった大竹野の2年振りの新作である。彼の突然の死によって、結果的に遺作となってしまった作品でもある。 . . . 本文を読む
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エイチエムピー・シアターカンパニー『traveler』

2011-01-26 21:57:37 | 演劇
 前作もそうだったが、この作品を見ながら、笠井さんの取り組みが、ますます明確なものになっていくように感じた。見ていてなんだか胸が熱くなる。これはたった1時間ほどの実験的な作品である。それを繰り返してリメイクしていく過程で、作品はよりシンプルに観客である僕たちの胸に届くようになる。とんがったところが,まるくなってわかりやすくなった、というのではなく、笠井さんの描くべきことが明確になったことで、素直に . . . 本文を読む
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『ソーシャル・ネットワーク』

2011-01-26 21:50:50 | 映画
 最初はおもしろかったのだけど、見ていくうちにだんだんどうでもよくなってきた。これはネットについての話ではなく、青春映画だと言うが、あくまでもフェイスブックを作ったザッカーバーグの物語であり、そこを抜きにしてはこの話を語ることは不可能だろうし、ナンセンスだ。でも、その部分に対して、僕はあまり興味がないから、お話の核心部分が僕にはすっきり入ってこないということだ。巨万の富を築いた男の成功物語にはもち . . . 本文を読む
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大阪新撰組『吸血姫』

2011-01-26 00:04:44 | 演劇
 本当なら3時間3幕の芝居を、2時間15分1幕ものとしてまとめ上げる。この長大な作品を一気に見せる。今から40年も前に書かれた芝居が21世紀の現代で通用するのかどうかはとても微妙な話だが、そんなことはものともしない。大丈夫だ、と胸を張って見せようとする。とても無謀な行為なのだが、新撰組がそれをすると、誰もが納得する。あの人達は時代錯誤のアナクロアングラだから、問題ない、なんて認識されている、はずな . . . 本文を読む
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