まるで夢を見ているような時間だった。心地よいリズムに酔いしれながら、ファン・ウンドの50年に渡る人生をたどっていく。その時この壮大な叙事詩が一瞬の夢に思える。これは波瀾に富んだ歴史絵巻なのだが、そんな彼の生涯を追いかけていくこの物語(と呼ぶにはあまりに淡すぎるのだが)は、とても静かで、内容の激しさとはまるで対照的なのだ。
当日パンフには丁寧にこのドラマのストーリーとなる部分の解説がなされてあ . . . 本文を読む
クリスティーナ・アギレラを主演に迎えたミュージカル。昔、僕が高校生だった時、初めて書いた長編小説のタイトルが『廃園のバーレスク』という。広瀬としては自信の300枚に及ぶ渾身の大作である。当時はこれで作家デビューを狙ったのだが、あえなく失敗する。夢を実現させるためには、この映画の主人公のように積極的にアプローチしなくてはならない。自分から仕掛けて行かなくては無理だ。チャンスは待っていてもなかなかや . . . 本文を読む
元旦にもう一度『ヤマト』を見に行ってきた。僕はとてもおもしろいと思ったけど、この映画のことをかなり酷く言っている人も多い。時間もあったので、今度はより冷静な目でこの映画のことを確かめたいと思った。(自分でも、何と大袈裟なことを、と思いますね。ただもう一回見たいだけ、のくせに)
アナクロでしかないこの企画を最新技術を駆使して映画化する上で、一番ネックとなるのは、このアナクロさをどれだけ大切に出 . . . 本文を読む
大切な人の死、という問題と向き合った2つの小説を続けて読むことになった。どうしようもない、でも受け入れ難い。そんな事実と向き合い、大切な人がいなくなった後の時間を生きていく。2作とも両親を事故で同時に失った子供の話である。『どんぐり姉妹』の2人も、『ツナグ』の歩美クンも、祖父母との交流によってその後の時間を生き続けることが出来た。どんぐり姉妹の祖父。歩美の祖母。2人は彼らときちんと距離をとってつ . . . 本文を読む