『大竹野正典劇集成Ⅱ』発刊記念公演である。昨年に引き続き今年も大竹野の芝居が見られる。この稀有のことを楽しもう。彼が亡くなり、それでもくじら企画は芝居を続々と作り続ける。最初は亡くなった大竹野正典、作、演出というクレジットで、上演された。そんな不条理がやけにリアルだった。死んだのに、まだそこにいる。そして、今も彼はこの世界で芝居を実際に作り続けているのだ。そんなふうに感じさせられる。さすがに今で . . . 本文を読む
さびれた町の活性化のため、ご当地アイドルを擁して再建を図る、という話だ。シャッター通り商店街になった町の中心にある居酒屋が舞台。そこはもとアイドルだった女性が営んでいる。寂れゆくこの町の最後の頼みの綱である企業が工場を閉鎖するという噂の中、なんとかして、生き残りを図ろうとする青年会の会長(でも、中年のオヤジだが)と、その元妻の市役所の職員。犬猿の仲になっている彼らを中心にして、ここに集まる人たち . . . 本文を読む
本の帯にはいつも大袈裟なことが書かれてあるけど(宣伝ですからね)ついつい信じてしまい、だまされる。今回も『「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自ら語る会心作!』というのに、やられて読んでしまった。もちろん、つまらないわけではないし、そこそこ楽しめるけど、まぁ、それだけ。
結構さわやかな青春もの、で、ミステリで、読んでる分には悪くはない。冒頭の2つのプロローグが結構ドキドキさせら . . . 本文を読む
100回泣くわけではないから、このタイトルは大袈裟なのだが、そういう極端なところが、中村航作品の魅力で、この話だってやりすぎでそこにはリアリティーはない。でも、嘘臭いか、と言われると(確かに嘘臭いけど)気持はわからないでもない。こういう気持ちは誰にも確かにあると思う。ストーリーとしてはリアルに程遠いけど、自分を悲劇のヒロイン、主人公とするのならば、わかる。その渦中にある人は客観的に周囲が見えない . . . 本文を読む
これは嫌な映画だ。この後味の悪さは普通じゃない。しかも、こんなにも嫌な映画をここまで確信犯的に作る才能って、かなり凄い。監督はソフトバンクのCM(犬のお父さんとその家族のやつ)を作った人らしい。あのCMの不条理も半端ではないが、この映画の気味悪さも大概ではないか。
ラスト1分を切っても先が読めないという展開は凄いとしか言いようがない。オチがないわけではない。ギリギリまでどこに話が向かうのか、 . . . 本文を読む