いまどきこんな映画が劇場で公開されているなんて、驚きだ。しかも、一応東映系公開である。今年の東映映画は70年代に戻ったようなプログラムが、しかも何の告知もなくいきなり登場してきてびっくりすることばかり。先日の『全員、片思い』もそうだし、これもそう。公開から1週間で1日1回程度の上映になるくらいの不入り。
結構力を入れたはずの作品も、閑古鳥。6月公開の『探偵ミタライの事件簿 青籠の海』なんていうプ . . . 本文を読む
パンデミックを描くのだが、SF的なアプローチではなく、しかもピンポイントで描くから、なんだか新鮮でリアル。高校生が死の病になる。10代限定で感染する。隔離され死んでいくのを待つ。どうして自分たちはこんな運命に至るのか。悩み苦しむけど、理由はない。たまたまそうなっただけ。だから、今はなっていない人も戦々恐々。いつ、どうなるかなんてわからないからだ。現実にこんなことが起きたならパニックになるより何より . . . 本文を読む
今年の高校生向け課題図書として選定された作品である。(そんなことよりも、まず、これが額賀澪の新作である、というところで手に取るけど。)昨年の松本清張賞受賞作となった彼女のデビュー作『屋上のウインドノーツ』は、「なぜ、これが松本清張?」と思わせるような普通の青春小説だった。まぁ、青春なんてものがミステリだと言われたら、たしかに、とも思うけど、でも、なんだかなぁ、と思った。もちろん、作品自体には文句は . . . 本文を読む