この不思議な9つのお話はお互いに独立した短編であるはずなのに、どこかでつながっている。響きあう九つの「水」の物語、と帯に書かれてあるけど、まさにそんな感じだ。誰もが痛みを抱え、生きていく。大きな災害の後、どうしてそこから立ち直って、いくのか。
これは明らかに東日本大震災以降をイメージしたお話である。リアルな現実に対して、この作品は想像力を駆使して向き合う。
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いやな女の話だ。できることならこんな偏屈な女とは関わり合いたくない。なのに、ウォルトは彼女に20年間もオファーをし続けた。そして、ようやく念願が叶い、彼女をロスまで呼ぶことに成功した。もうこれで大丈夫だ、と彼は信じたはずだ。だが、甘い。それはまだ、始まりに過ぎなかったのだ。でも、こんな面倒な女を投げ出すことなく、彼と彼のスタッフは受け入れた。さぁ、どうする?
デ . . . 本文を読む
こんなへんなお話あるか、と思いつつ読み進める。きっとどこかにオチはあるから、と思うけど、なかなか、それが見えてこないし、わからない。この仕掛けがわからないまま、結局最後まで読んで「やられたぁ、」と思う。そして、涙が止まらない。
これはこんなに優しい小説だったんだ、と改めて思う。瀬尾まいこの作品なんだから、きっとがっかりすることはないとは思ったけど、つまらないSF仕立てにもならない . . . 本文を読む
今年のHPFオープニング・プログラムだ。関大一高は80分のオリジナル長編に挑む。当日貰ったパンフには台本は「箕面東高OG 原田結子」とあるが、彼女が高校生の時に書いたものなのかもしれない。舌足らずで、でも、とても切実な想いが込められた作品だ。
不思議なタッチで、落ち着いた作品。だから、最初はその摑みどころのなさに、戸惑う。何が描きたいのか、それすら . . . 本文を読む
3月20日に古賀さんが亡くなった。先日行われた古賀さんのお別れ会で、追手門高校の演劇部の顧問をされていた阪本先生が、古賀さんの声掛けで、このHPFが始まったということをお話をされた。阪本さんの言葉だからこそ、そのお話が胸を打つ。ずっと高校生たちと寄り添い、演劇部のために全力を尽くす。その阪本先生も引退されて、HPFから去った。阪本先生と一緒にHPFに最初から参加していた追手門も去って行った。 . . . 本文を読む