野田秀樹の作品を2時間にコンパクトにまとめて見せる手腕はなかなかのものだ。ただ役者たちの声が通らないし、活舌が悪いから、何を言っているのやら、わからないところも多々ある。つかこうへいの芝居ではないのだから、ちゃんと台詞が欲しい。
野田の芝居って情報量の多さは半端じゃないのだが、この作品はなんだかとてもシンプルでこんな話だったっけ、と思うほど。アレンジしたのだろうけ . . . 本文を読む
最初の40分を見逃したけど、これを見てよかった。昨年、突劇金魚の サリngROCKの『しまうまの毛』を見事に作った北かわち皐が丘高校が、今回はどんなものを見せてくれるのか、とても楽しみにしていた。それだけに、諸事情から「もう見られないかも、」という状態になり、がっかりしたけど、途中からでも見れてよかった。もちろん、期待以上の出来だ。
彼らはテンポよくこのむちゃくち . . . 本文を読む
なぜ、今、『12人の怒れる男』なのか。わかるようで、わからないような。それは今回のアレンジの仕方についても。確かに大谷高校らしいウェルメイドな笑いに包まれた作品に仕上がっているけれど、この題材を使い、それをこういう仕立て方で見せることの意味がどこにあるのか、よくわからない。
これならお話自体も含めて今の自分たちに引き寄せたオリジナル作品を作った方がよかったのではな . . . 本文を読む
このタイトルの甘さと優しさが鴻上尚史のスタンスだ。革命をノスタルジアにしている。だが、そこにある悔恨こそがこの作品のテーマだ。あの頃の自分たちを肯定も否定もしない。もちろん、あれが青春だった、なんて言わない。高校生にまで飛び火した革命思想とは何だったのか。そこにも深入りしない。
あくまでも「僕たちが好きだった」という個人的な想いと、「革命」という社会とか、世界とか . . . 本文を読む