落語の『らくだ』はとてもアバンギャルドな作品で、まぁ、むちゃくちゃな話なのだが、それを土台にして、橋本匡市はとても端正でオーソドックスな小劇場演劇として再生させた。死んでしまった娘のいる部屋で過ごす夫婦の姿を狂気としてではなく、とても穏やかな会話劇として見せる。
もちろん中心にいるのはもの言わぬ死者である大切な娘である。彼女の死という「現実」を巡って夫婦は言葉を交わす。後悔、現状 . . . 本文を読む
9月に読んだ本は15冊。毎月そのペースなのだけど、なかなか感想を書く時間がない。今月もすごくよかったのに、書いてない本がたくさんあるので、その中から3冊。
いとうせいこう『どんぶらこ』
桃太郎の桃の話から始まり、じいさんとばあさんの末路と彼らの子どもたちによる介護を描く21世紀の昔話。読みながら、ドキドキするのは、自分の母親のことが頭をよぎるからか。たった3日の . . . 本文を読む
劇場でこの映画のチラシを見て驚いた。これはつい先日たまたま見た映画ではないか、と。この10月14日から公開される韓国映画なのだけど、一足早く、見てしまった。夏に飛行機で見た映画だ。アシアナ航空だったので、ラインナップは韓国映画が充実していたのだが、いかんせん字幕が英語しかない。もちろん韓国語はわからないから、少しためらったのだが、見てよかった。僕の英語力(映画力?)でも理解出来る範 . . . 本文を読む