スティブン・キングの旧作をリメイク。以前はTVドラマとして作られた。確か3時間の前後篇。今回初の映画化は、2時間15分で、子供時代のエピソードのみで作られた。原作は13歳と27年後のふたつの話が交錯する。少年時代のみのエピソードで全体を構成したのは正解だ。シンプルだけど、美しい映画に仕上がった。オリジナルの「今」だった80年代をそのまま舞台にすると、30年の歳月を経て、今ではノスタ . . . 本文を読む
ここに提示された破局は今ある現実をなぞっているわけではない。架空の災害を設定して、横山さんは敢えて現実の出来事としてではなく、フィクションの中で、震災に取り組む。そして、そこでの日常を切り取ろうとした。それは、自分の中にある漠然とした不安とより明確に向き合い、それを形にして提示しようとしたためだろう。
誰もいなくなった仮設住宅で夫の帰りを待ち、今もひとり暮らす女。 . . . 本文を読む
あんなにも面白かった前篇を受けて、怒濤の展開を期待したのに、まるでストーリーが広がらない。映画は主人公の2人(菅田将暉とヤン・イクチュン)だけの話に絞り込んでいくのだ。ラストはふたりの対戦である。それはお約束だからわかっていたことだけど、どうして作品世界がこんなにも萎んでしまったのか。
新宿という狭いエリアに限定した空間からこの世界全体をみつめるというスタンスが崩 . . . 本文を読む
家族ではなく家庭。これは家と庭という場所を巡る物語。もちろんそこに住む人たちの物語なのだが、家族(人々)を描くのではなく、人が場所に拘ることに重心をスライドさせている。ここで生まれ、ここで暮らす。ずっとここから出たことがなかったけれど、ここは当たり前にずっと今のままあるわけではない。いつか変わっていく。場所は同じでも、人は変化していく。家族だからと甘えていたら、いつのまにか、ひとり . . . 本文を読む