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この手のイラスト表紙本は読むことにテレるけど、勇気を出して読み始める。やはり当たりだった。攻める。ガンガン攻めてくるからしっかり受け止めなくてはならない。同性愛者でフェミニンで自分の性状を包み隠さずあからさまに世界に伝える。配信動画でみんなに楽しんでもらう。自分の生き方を公開している。共感する人たちもいるけど、きっと気に入らないと嫌悪する人たちもたくさんいるだろう。だけど気にしないし、関係ない。自分は自分を生きる。大学でもみんなから愛ちゃんは愛されている。
15歳での高校の担任先生との恋から始まり、18、20歳でのふたりの大学生男子との恋の話。さらには22歳。だいたい2年刻みでの恋愛を中心にしたお話が続く。ホモでもゲイでもない。純粋にただ自分自身でしかない。自分に嘘をつかない生き方。
最後まで読んで涙が出て困った。こんな風に自分に正直に生きる人がいる。だけどそのためには戦わなくてはならない。そんな当たり前を思った。だけど周りには助けてくれる人もいるし、わかってくれる人も多い。だから信じたい。これは小さな話だけど、ここから始まる。
そう思った後、同時収録されている続編である『太良の法学ノート』をさっそく読む。太良は愛のパートナーである。前作だって、もともと幼い彼を助ける事から始まった。太良が大学生になり法律を学びながら仲間たちと過ごす時間が描かれていく。ここで出会う人たちが凄い。彼らは自分たちの権利を守るために法律を学ぶ戦っている。こんな人たちにこの国の政治を任せれたら、なんて思うけど、そんな他力本願がよくないんだなぁとも思う。バカな政治家ばかりが蔓延る世界を変えないといけない。そのためには若い世代が頑張るしかない。性的マイノリティの権利を守るための戦いから始まってこの小説はこんなところまで至る。読み始めた時は軽い読み物だと思っていたが、これはまさかの作品だった。知らないことばかりだったけどこれを読むことで少しだけいろんなことがわかってきた気がする。