前作『龍の羅針盤』で前後篇4時間越えの大作に挑んだ大塚雅史とブルーシャトルが、今回は4作品の連続上演に挑む。上演自体は、今日見た「暁ノ章」と次の「宵ノ章」という2部構成なのだが、それぞれ1時間の作品の2本立上演。(途中、休憩10分が入る)4話からなる連作仕立てだ。
主人公を変えて4つの視点から新撰組の最初の2年間を描く。隊の結成から池田屋事件まで、である。彼らは以前、『壬生狼』で同じ . . . 本文を読む
前半はとても面白かったのだが、同じトーンでガンガン行くから後半ちょっと疲れてくる。ヒロインが自分を責めるから、そんな自分にしんどくなってきて、それが観客にまで伝染する。鎧のような衣装を纏い、スカートは履かないし、体のラインの出るような服も着ない。いつもだぶっとしたパンツでガチガチにかためて生きている。彼女には10年間も片想いの彼氏(「いち」と呼ぶ)がいて、脳内恋愛している。同時に今盛んに彼女 . . . 本文を読む
アキ・カウリスマキの『真夜中の虹』を見た時の衝撃は忘れない。こんな映画があっていいのか、と思った。70分ほどの短い映画なのに、なんと豊かな映画だろうか、と思った。一切ムダのない緊張感が漲る。簡潔な文体が映画の豊穣さを支える。無名だった彼はあの1作で、いきなりスター監督になった。それ以降、必ず見る。公開された映画はすべて劇場で見た。
だけど、だんだんあの感動は過去のものになりつつある。 . . . 本文を読む
やりたい気持ちはわかるし、とても素直で正直な芝居だ、とは思うのだが、あまりにストレートでひとりよがり。まず、これを観客に見せる、ということを考えてない。わからせたい、ということも。わかる奴だけわかればいい、という姿勢では作る意味はないし、そんなのがわかる奴なんてひとりもいない。
台本を書くこと、芝居を作りこと、自分のこと、周りの人たちのこと、半径数メートルの四畳半世界の中で、彼の脳内 . . . 本文を読む
なんと今頃、マジンガーである。まさかの映画化。しかも、シリアスタッチの大人のマジンガーではなく、僕らが子どもの頃に見たあの日のTVアニメ『マジンガーZ』の再来なのだ。今時、こんなアニメ映画はなかろう。主題歌もあのままだ。最初はすこしドン引きした。こんなお子様マンガ映画を90分、今から見ることになるのか、と暗澹たる気分。だけど、諦めたらだんだんこれはこれで快感になってきた。絵もあまり動かない。 . . . 本文を読む