こんな地味なクライムサスペンスがひっそりと映画館で上映される。たまたま見たのだけど、これがなかなかの拾い物。最初から最後まで緊張感が持続する。次はどうなるのかと、ハラハラドキドキさせられる。でも、奇想天外なアクション映画ではない。よくある潜入捜査物なのだけど、すべてから見放された男が家族を守りながら、生き残りをかけて戦うというお話が、落ち着いたタッチで丁寧に描かれる。どこかで見たような手垢のついた . . . 本文を読む
3人の男女による今(2018年)と昔(2011年)をそれぞれの視点から描く。大学時代棒高跳びをしていた。2人は同じ大学の陸上部のチームメイトだ。友人であり、ライバルでもある。しかも、名前も同じ。佐藤倫太郎と佐藤林太郎。かたや平凡な記録保持者、かたや全国レベルの花形選手。そんなふたりを見守る一人の少女。彼女は彼らの跳ぶ姿を絵に描く。自分も跳ぶことを体感したくて一時は陸上部に入部する。(でも、すぐにや . . . 本文を読む
6人の作家たちによる短編連作アンソロジー。共通するテーマはタイトルにあるように、「行きたくない」という気持ち。それがエスカレートすると「生きたくない」になるのは必定のことだ。それぞれの作品が様々な角度から「行きたくない」想いを切実に語る。僕も少し同じような気分だったから、わかる。仕事に行きたくない、という想いを抱えながら電車に乗る。その電車の中でこの本を読む。もちろん、共感する。そして、職場にたど . . . 本文を読む