昨年の椰月美智子(『るり姉』)に続く新作はなんと瀧羽麻子だ。外輪さんはとても趣味がいい。しかも、それをしっかりと自分の世界へと引き込んで、その上で更に「くすのき」らしい作品として仕上げ舞台化する。短編連作による長編小説をなんと65分の作品に仕立てた。この短さが心地よい。6つの視点から語られるお話を短いエピソードの断片の連鎖で描いていく。原作を生かしながらそれを一度解体して再構築した。
細切れのド . . . 本文を読む
シリーズ第5作。新シリーズとなった前作から2か月のインターバルでの新刊の刊行だ。きっと一気に書き終えての刊行なのだろう。ふつうなら今回も三部作ではないか、と思うけど、この5冊目で完結。なんだかバランスが悪いけど、上下2巻という扱いか。
この5冊目を読みながらこれはダメだと思った。こんな消化試合のようなお話はいらない。前作のラストはクラスの親友に隠していたアルバイトが見つかり、ショックを受けたとこ . . . 本文を読む