シリーズ第4作。前半は、なんとパリが舞台だ。前作でコンクールで優勝したご褒美としての研修旅行に主人公2人が行くというお話。そこでの数日間が描かれる観光旅行編だ。
そして、ふたりの恋はどうなるのか、とか、そんな感じ。後半は帰ってきてからのお話で、文化祭が舞台となる。軽くて楽しくて、一瞬で読める。まぁ、それって今までもそうだったので特に変わりはないのだけど、今回は旅行がメインなので番外編の趣で、今まで以上に軽い。今回のお話で「恋愛もの」としてはひとつの決着がつくのでこれで終わりにしてもいいのだけど、きっとまだまだ続くはず。さすがにマンネリになってきたので、パリを持ってきたのだろうが、それゆえ余計にネタがなくなったのかと思わせる。
でも頭を空っぽにして、こういうノーテンンキな小説を読んでいる時間は幸せだ。しかも、七月隆文だからとても上手い。だからちゃんと読ませてくれる。好きなことのために全力で向き合うケーキ王子とそんな彼を地味に支えるヒロイン。「お花畑」のお話でまるでリアルじゃないけど、こういう高校生活があればいいな、と思う。そんな夢物語。でも、ありかも、と思う。まぁ、少女漫画の王道ですな。