いつもながらのシチュエーション・コメディーを楽しく見せてくれる。今回はいつもにも増して内容が全くない。これだけなんにもないお話で100分以上を引っ張っていくって、かなり怖いことではないか。なのに果敢にも、ともさかさんはそこに挑戦していく。正直言ってネタがなくてこんな話を作ったのではないか、と思うぐらいに話自体には仕掛けがない。だが、これだけシンプルな設定で芝居を立ち上げるのは並大抵のことではない。
とある工場に忍び込み首を吊って自殺しようとしていた女(川辺みほ改めチロル姫!)が工場の管理人に止められ、突き飛ばした拍子に、謝って相手を殺してしまう、というオープニングのエピソードは、見せないで、開演時には全てが終わった後の場面から始まる。途方に暮れる女。そこに3人組の男たちがやって来る。彼らは財布を拾って、その中身を確認するためにここに入ってきた。財布にはお金はないが、なんと万馬券が入っていた。1000万もの当たり券を巡って大騒動が始まる。
ストーリー自体はこんなふうにとても簡単で、前述の3人と1人に、財布の持ち主、警官やらが入り乱れててんやわんやのドタバタ騒ぎ。最後にはとてもよく作りこまれたセットに施されたドリフばりの仕掛けもありで、楽しませてくれる。
今回のポイントは先にも書いたようにいつも以上に全くストーリー自体には仕掛けを作らないで、どれほどお話を退屈させることなく展開できるか、ということだったはずだ。
ともさかさんはこのまるで意味のないドタバタ騒動を刹那的な笑いに包んで、何もないことの楽しさとして最後まで引っ張る。これは簡単そうに見えて、かなりの困難を伴う。上手く作ったとしても、中身のない芝居と一蹴される可能性は大だ。それを承知でこの単純でストレートなシチュエーション・コメディーを作りきろうとする。その心意気は半端ではない。本来なら、間を持たすために理屈を捏ねたり、どうでもいいようなストーリーに逃げたりするのが定番だが、彼はそんなこと絶対にしない。中身なんかなくていいから、楽しければ、それでいい。その割り切った姿勢は心地よい。
とある工場に忍び込み首を吊って自殺しようとしていた女(川辺みほ改めチロル姫!)が工場の管理人に止められ、突き飛ばした拍子に、謝って相手を殺してしまう、というオープニングのエピソードは、見せないで、開演時には全てが終わった後の場面から始まる。途方に暮れる女。そこに3人組の男たちがやって来る。彼らは財布を拾って、その中身を確認するためにここに入ってきた。財布にはお金はないが、なんと万馬券が入っていた。1000万もの当たり券を巡って大騒動が始まる。
ストーリー自体はこんなふうにとても簡単で、前述の3人と1人に、財布の持ち主、警官やらが入り乱れててんやわんやのドタバタ騒ぎ。最後にはとてもよく作りこまれたセットに施されたドリフばりの仕掛けもありで、楽しませてくれる。
今回のポイントは先にも書いたようにいつも以上に全くストーリー自体には仕掛けを作らないで、どれほどお話を退屈させることなく展開できるか、ということだったはずだ。
ともさかさんはこのまるで意味のないドタバタ騒動を刹那的な笑いに包んで、何もないことの楽しさとして最後まで引っ張る。これは簡単そうに見えて、かなりの困難を伴う。上手く作ったとしても、中身のない芝居と一蹴される可能性は大だ。それを承知でこの単純でストレートなシチュエーション・コメディーを作りきろうとする。その心意気は半端ではない。本来なら、間を持たすために理屈を捏ねたり、どうでもいいようなストーリーに逃げたりするのが定番だが、彼はそんなこと絶対にしない。中身なんかなくていいから、楽しければ、それでいい。その割り切った姿勢は心地よい。