またこんな小説を書いちゃって、って思いつつ、読む。もうこの手の吉本ばなな、なら、何十回も読んでいる。でも、なのにまた、こんなお話に乗せられている。しかも、今回は「ふなっしー」である。
こんな小説ありかい、と思う。これはふなっしーの宣伝小説か、と思うほどの書き方。「舟橋」という町の町おこし小説。
でも、終盤の展開に涙する。いいなぁ、と思う。こんなものだなぁ、と思う。弱い自分と決別して新しい自分になる。舟橋という町が後押ししてくれる。ここでよかった、と彼女は思う。いろんなことがあったけど、これは運命でそれを受け入れるだけではなく、運命を自分で切り開く。
悲惨な話だ。でも、それでも人は生きていく。自分の人生をどう生きるかは人それぞれ。ちゃんと自分と向き合い正しい生き方を選ぼうと思う。これはそんな気分にさせてくれる小説なのだ。