実はこの映画、7月の終わりに見ている。その時は、ショックで何も書く気がしなかった。どうして、こんなにも、当たり障りのない映画なのだろうか、と思った。今更だけど、思いつくことをつらつら書いてみよう。
これは佐藤信介監督が『いぬやしき』に続いて放ったSF大作なのだが、興行成績もいまいちだったし、映画もいまいち。というか、この2本、どちらもなんかよく似ていて区別がつかない。ルックスが似ている。
主演は福士蒼汰と杉咲花。同じようなヒット・コミックを原作にしたアクション映画『曇天に笑う』(監督は本広克行)をつい最近見たばかりなのだが、これも区別がつかない。3月公開のあの映画と7月公開のこの映画、連続して主演した福士蒼汰のたたずまいが似ている。
もちろん、3本の映画はまるで別作品なのだが、いずれも、なんだか個性がない。どこかで見たような映画。この映画でなければならない、という主張が感じられないから印象が薄い。『いぬやしき』『曇天に笑う』という2作品の後に見たこの作品のあまりの淡泊さに衝撃を受けた。夏休みシーズンを引っ張る映画の意気込みなんて、ここにはまるで感じられない。それなりのアクション。そこそこのお話。膨大な原作から適当にチョイスして映画化、って感じで、熱量が伝わらない。このテンションの低さってなんだ、と驚く。
同じような映画が連作されるから、もうどれがどれだかよくわからなくなってるのか。それくらいにお話がどうでもいいような話ばかりで、驚きがない。原作のファンはどう思っているのだろうか。この程度のお話に興奮したのか。原作のよさをまるで伝えきれていないのか。僕にはよくわからないけど、この映画を見た範囲内では、まるでつまらない。アイデァは悪くないけど、これでは映画にならない。『GANTZ』の1作目なんてあんなに面白かったのに、佐藤監督、どうしたんだろうか。