習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ハンコック』

2008-10-15 22:37:00 | 映画
 こういう映画は映画館で見るに限る。なんて言いながらもう封切りから40日も過ぎてようやく見てきた。今週いっぱいで上映が終了すると聞き、一応見ておこうと思ったのだ。あまり評判はよくないし、この手のバカアクションのために貴重な時間を割くなんて、僕もバカだとは思う。だが、休みの日にこういう映画を何も考えずに見るのは、それはそれで快感である。

 とことん従来のヒーローものをコケにした設定である。予告編を見た時、それが笑えるな、と思った。この設定をどう生かすのか、興味津々。だが、始まって30分で飽きた。まるで、ドキドキしないし、発展性のないストーリーだ、と思った。くだらないものを見てるよ、俺。時間もったいない。そう思った。いつも言ってるがもうどんなSFXを見ても驚かない。いいかげんうんざりだ。そんな中、『ダークナイト』は新しい可能性を見せてくれたし、『インクレディブル・ハルク』もよくやっていた。その流れを受けてこれがまた新しい方向性を提示してくれたなら、という一抹の期待もあった。

 だが、急送にその期待は萎む。と、思ったのだが、どっこいそうはならなかったのだ。後半のあきれた展開に惹かれた。なんだ、これは!

 シャリーズ・セロンがただの妻役ではない、とは思ったが、後半、彼女がいきなり暴れ出したのには驚く。噂では途中から別の映画みたいになる、という悪評だったが、このあんまりな展開に反対に僕は嵌ってしまった。ウイル・スミスと彼女が夫婦喧嘩バトルを繰り広げ、しかも彼女の方がずっと強いなんていう話になるのだ。なんだ、これは。唖然、である。

 さらには2人の秘密が明かされる。まぁ、ここはどうでもいいが、どん詰まりの設定からやけくそな展開へ。いろんなことがどうでもよくなる脱力感。これぞ天下のバカ映画だ。こういうバカなら大好きだ。大金を投じてこんなおふざけを大真面目にするなんて、笑える。前作『アイ・アム・レジェンド』でも後半に入ってこけてしまったウイル・スミスだが、今回のこけ方はなかなか粋である。見て損はなかった。(まぁ、たいした映画ではないが。)

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