凄いタイトルだが、これはコミックではない。清少納言を主人公にした小説だ。彼女が宮中に入り、ドキドキしながら定子さまのもとで過ごすようになる日々を描く前半は面白い。最初は宮中のさまざまな出来事が新鮮で驚くことばかりで、それをまるで一緒に体験している気分にさせられる。でも、お話自体があまり大きく動かないから、だんだん退屈してくる。
権力争いに巻き込まれ、道長の謀略から定子とその一族が徐々に追い込まれていくさまを描く部分はしんどい。だいたいお話の顛末はわかっているし、思いがけない展開は望めないから、余計だ。
さすがに沖方丁だから、つまらないというわけではない。でも、今までの長編と較べたら、分量的には長くないし、思いがけない展開はない。予定調和の域を出ない。『天地明察』や『光圀伝』のようなボリュームなら、もう少しいろんな展開を見せることができたはずだ。だが、それだけの分量にするだけの情報量もないし、そこまで乗り切れなかったのではないか。彼は思ったほど、清少納言に対して想像が膨らまない。(女性を主人公にして、一代記にするというのが重荷だったのだ)残念な仕上がりだ。
権力争いに巻き込まれ、道長の謀略から定子とその一族が徐々に追い込まれていくさまを描く部分はしんどい。だいたいお話の顛末はわかっているし、思いがけない展開は望めないから、余計だ。
さすがに沖方丁だから、つまらないというわけではない。でも、今までの長編と較べたら、分量的には長くないし、思いがけない展開はない。予定調和の域を出ない。『天地明察』や『光圀伝』のようなボリュームなら、もう少しいろんな展開を見せることができたはずだ。だが、それだけの分量にするだけの情報量もないし、そこまで乗り切れなかったのではないか。彼は思ったほど、清少納言に対して想像が膨らまない。(女性を主人公にして、一代記にするというのが重荷だったのだ)残念な仕上がりだ。