こういうライトノベルを読むことはない。しかも、ミステリである。絶対にない。だが、世の中、絶対なんてことはないのだ。僕がこの本を読んだのは偶然である。いつものように読む本がなかったからだが、それでも普通ミステリは選ばない。推理小説も選ばない。でも、これは今時の高校映画研究部の話で、もと映研部員(30年以上前の話だが)の僕としては、ほんの少し気にならないでもなかった。8ミリ小僧だった時代から、遠く離れて、今どきの高校生がどんな映画を撮ろうとするのか、そういう興味がこの本を手に取るきっかけなのだ。
少し読んで、つまらなかったなら、やめる、と覚悟して読み始めたのだが、いつものように途中では、やめられない性格から、最後まで読むことになった。日常をベースにしながら、お話はマンガのような展開しかしない。美少女ばかりが出てきて、ちゃんと事件は起こるし、謎解きもするし、まぁ、当り前かぁ。
だが、そこで描かれる彼らが作る映画についてのエピソードはとても興味深く、そうか、今の子供たちはこんなふうにして映画を手にしているのか、なんて。キャラが立つように設定されたドラマは、とてもじゃないけど、リアルには程遠い。でも、これはそういうお話なのだ、と理解して読みすすめると、気にはならない。TVや映画館で「コナン」を見ている時の感じ、ね。
そこからもう少し先へと話が進んでくれたなら、面白くなるのだが、惜しいけど、そうはならない。最初の中編はおもしろかったけど、メインとなる長編作品『冬空トランス』が、つらかった。そして、最後の作品はもっと、つらい。ミステリ度がアップすればするだけ、僕はつまらなくなるようだ。(複雑なトリックは、読んでいて理解できなくなるからだけど・・・ 要するにバカ)でも、自殺に見せかけるため、4階まで机を積み上げるとか、ありえない。そんなのトリックじゃない。密閉されたスタジオに水を張って、プール状態にするとかも。なんか、荒唐無稽過ぎて、僕には楽しめなかった。そんなことより、もっとちゃんと彼らの高校生活のスケッチのほうを見せて欲しい。ということで、最初の1編。主人公の渉と、ヒロイン真由の出会いを描く『モザイクとフェリスウィール』。真由と部長のとんでもない関係の始まりは楽しかった。それだけ。
これは「樋口真由シリーズ」第3作ということだが、前2作が取り上げるのは、ここに描かれる3つのエピソードの中にはさまれた時間のようだ。ということは、少し、気になる。要するに3作の関連性や、シリーズ構成がどうなっているのかが、である。あえてこういう複雑な構成にしたのはなぜか。というか、きっと、思いつきなのだろうけど。
相変わらず、暇人なので、きっともう1冊は読む。そうすると、3冊目も読んでしまうことだろう。なんだかなぁ、である。
少し読んで、つまらなかったなら、やめる、と覚悟して読み始めたのだが、いつものように途中では、やめられない性格から、最後まで読むことになった。日常をベースにしながら、お話はマンガのような展開しかしない。美少女ばかりが出てきて、ちゃんと事件は起こるし、謎解きもするし、まぁ、当り前かぁ。
だが、そこで描かれる彼らが作る映画についてのエピソードはとても興味深く、そうか、今の子供たちはこんなふうにして映画を手にしているのか、なんて。キャラが立つように設定されたドラマは、とてもじゃないけど、リアルには程遠い。でも、これはそういうお話なのだ、と理解して読みすすめると、気にはならない。TVや映画館で「コナン」を見ている時の感じ、ね。
そこからもう少し先へと話が進んでくれたなら、面白くなるのだが、惜しいけど、そうはならない。最初の中編はおもしろかったけど、メインとなる長編作品『冬空トランス』が、つらかった。そして、最後の作品はもっと、つらい。ミステリ度がアップすればするだけ、僕はつまらなくなるようだ。(複雑なトリックは、読んでいて理解できなくなるからだけど・・・ 要するにバカ)でも、自殺に見せかけるため、4階まで机を積み上げるとか、ありえない。そんなのトリックじゃない。密閉されたスタジオに水を張って、プール状態にするとかも。なんか、荒唐無稽過ぎて、僕には楽しめなかった。そんなことより、もっとちゃんと彼らの高校生活のスケッチのほうを見せて欲しい。ということで、最初の1編。主人公の渉と、ヒロイン真由の出会いを描く『モザイクとフェリスウィール』。真由と部長のとんでもない関係の始まりは楽しかった。それだけ。
これは「樋口真由シリーズ」第3作ということだが、前2作が取り上げるのは、ここに描かれる3つのエピソードの中にはさまれた時間のようだ。ということは、少し、気になる。要するに3作の関連性や、シリーズ構成がどうなっているのかが、である。あえてこういう複雑な構成にしたのはなぜか。というか、きっと、思いつきなのだろうけど。
相変わらず、暇人なので、きっともう1冊は読む。そうすると、3冊目も読んでしまうことだろう。なんだかなぁ、である。