クリント・イーストウッド監督最新作。もうそれだけで、すべてを差し置いて見に行く。映画ファンなら当然の行為だ。内容がどうとかは後回し。どんな話なのかも知らないまま、まず見に行く。
今回は大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化らしい。音楽劇だ。でも、大丈夫。なんでも出来るのがイーストウッドだ。誰もが知っているポップ・グループ「フォー・シーズンズ」を主人公にして、50年代(から、なんと90年の音楽の殿堂入りまでを取り上げ)を舞台にした青春映画。
ギャングのまねごとをしながら、ミュージシャンとして頭角を現してくるまでを描く前半(「シェリー」が大ヒットするところまで)が特に素晴らしい。バカなガキたちが、綱渡りで業界に入り込み、認められる姿を追いかける。イーストウッドはこういうチンピラみたいなガキが大好きだ。とても楽しそうに彼らのやんちゃぶりを見守る。お話のテンポの良さに乗せられて、あれよあれよという間に話は進んでいく。クリストファー・ウォーケン演じるギャングのボス。最高! 彼がこの映画全体のアクセントになる。
後半は、成功した後の苦難を描く。こちらは、見ていてつらい。家族とのことを描く部分は見てられない。全力で仕事をしているから、という言い訳は通用しない。こんなにも家族を大切に思っているのに、妻になじられ、家族は崩壊していく。決定打は、娘の死。家出した彼女捜し出しなんとかして和解した。なのにそうなる。
さらには、バンドリーダーの借金を巡る内紛も。4人の友情と、どうしようもない亀裂は、見ていて胸に沁みてくる。それは誰にでもある経験だろう。若い頃、だけを描く映画ではなく、40年に及ぶ人生を描くのだ。(いろんなことがある、なんていうありきたりなことをいうのではない。)それだけに再会を描くエピローグの部分がうれしい。実に素晴らしい。そこには特別なことはない。昔通りに4人で舞台に立つ。あの頃と同じだ。もうそれだけで胸がいっぱいになる。すべてをひっくるめての2時間14分の至福。映画を堪能した。
今回は大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化らしい。音楽劇だ。でも、大丈夫。なんでも出来るのがイーストウッドだ。誰もが知っているポップ・グループ「フォー・シーズンズ」を主人公にして、50年代(から、なんと90年の音楽の殿堂入りまでを取り上げ)を舞台にした青春映画。
ギャングのまねごとをしながら、ミュージシャンとして頭角を現してくるまでを描く前半(「シェリー」が大ヒットするところまで)が特に素晴らしい。バカなガキたちが、綱渡りで業界に入り込み、認められる姿を追いかける。イーストウッドはこういうチンピラみたいなガキが大好きだ。とても楽しそうに彼らのやんちゃぶりを見守る。お話のテンポの良さに乗せられて、あれよあれよという間に話は進んでいく。クリストファー・ウォーケン演じるギャングのボス。最高! 彼がこの映画全体のアクセントになる。
後半は、成功した後の苦難を描く。こちらは、見ていてつらい。家族とのことを描く部分は見てられない。全力で仕事をしているから、という言い訳は通用しない。こんなにも家族を大切に思っているのに、妻になじられ、家族は崩壊していく。決定打は、娘の死。家出した彼女捜し出しなんとかして和解した。なのにそうなる。
さらには、バンドリーダーの借金を巡る内紛も。4人の友情と、どうしようもない亀裂は、見ていて胸に沁みてくる。それは誰にでもある経験だろう。若い頃、だけを描く映画ではなく、40年に及ぶ人生を描くのだ。(いろんなことがある、なんていうありきたりなことをいうのではない。)それだけに再会を描くエピローグの部分がうれしい。実に素晴らしい。そこには特別なことはない。昔通りに4人で舞台に立つ。あの頃と同じだ。もうそれだけで胸がいっぱいになる。すべてをひっくるめての2時間14分の至福。映画を堪能した。