見る前から、不安はあった。前編があれだけ素晴らしかったのだ。誰もがあれ以上を期待する。しかも、前作はいろんな伏線を張りまくった。あれらがすべて収束するのだ。どうなるのか、ドキドキする。でも、こういう場合が一番危険なのだ。
そして、予想通りの展開となった。話がどんどん萎んでいく。2時間15分で終わらせるためには仕方がなかったのかもしれないが、ここにはなんのお話もない。スカスカだ。収斂させることだけが至上命令ではなかったはずだ。拡散こそ映画の醍醐味。でも、そうすると、終われなくなる。
始まりで、前編の最後に登場した謎の男(福山雅治)の正体を描き、彼のもとでの修業を描く序盤戦でつまずいた。ジャッキーチェンの『酔拳』ではないのだから、延々と修業を見せる必要はない。その後、ようやく重い腰を上げて、東京を目指す。その前に、まず、伊勢谷友介との戦いがある。当然だろう。前作では戦えなかったのだから、ここで戦わずしてどこで戦う? でも、その後は当然前回完敗した神木隆之介であろう。で、最後は藤原竜也、ということになる。いいよ。バトルシーンだけでも。最高のアクションを見せてくれるから。だが、これはそれだけの映画だったのか?
そうじゃなかったはずだ。大友監督はここで、時代の終わりと、始まりの混沌を見せたかったはずなのだ。『竜馬伝』で出来なかったことをすべてここにぶつけたはずだ。もちろん、それは誰もが見たこともないアクション、というのもそうだった。だが、それはここまでの2作品で十分に達成できたはずだ。しかも、『京都大火編』では、その先に向かっていた。だから、この作品にここまで期待したのではないのか。
明治政府の理不尽な振る舞いに、歯噛みしながら、それでも、その先にある未来を夢見て、戦う剣心の姿を見せてもらいたかった。愚かなことであるのは、重々承知している。伊藤博文に象徴される政府の横暴と独裁は、江戸幕府と変わりない。いや、それ以上に卑劣だ。だが、それでも、志々雄を倒さなくてはならない、と思う。彼の中にあるのは復讐の心だけだからだ。明治政府は何もしてくれなかった。だが、志々雄は何をしてくれる。もっと何もしてくれないのではないか。これ以上の混乱は避けたい。平和が欲しいというのが民衆の願いだ。それを成就するためには彼を倒すしかない。
最初は死ぬことが望みだった。だが、それが変わる。薫と出会い、剣とは無縁の生き方を望み、平和な世界で暮らし。でも、再び戦乱の世を企てる輩に追われることになる。その先が今回は描かれるはずだった。生きることが目的だ。それはラストシーンで達成できたのか。剣心の戦いはまだ始まったばかりだ。そのことを、もっときちんと印象付けるためにも、これをただのアクション映画にしてはならなかった。はずなのだ。
そして、予想通りの展開となった。話がどんどん萎んでいく。2時間15分で終わらせるためには仕方がなかったのかもしれないが、ここにはなんのお話もない。スカスカだ。収斂させることだけが至上命令ではなかったはずだ。拡散こそ映画の醍醐味。でも、そうすると、終われなくなる。
始まりで、前編の最後に登場した謎の男(福山雅治)の正体を描き、彼のもとでの修業を描く序盤戦でつまずいた。ジャッキーチェンの『酔拳』ではないのだから、延々と修業を見せる必要はない。その後、ようやく重い腰を上げて、東京を目指す。その前に、まず、伊勢谷友介との戦いがある。当然だろう。前作では戦えなかったのだから、ここで戦わずしてどこで戦う? でも、その後は当然前回完敗した神木隆之介であろう。で、最後は藤原竜也、ということになる。いいよ。バトルシーンだけでも。最高のアクションを見せてくれるから。だが、これはそれだけの映画だったのか?
そうじゃなかったはずだ。大友監督はここで、時代の終わりと、始まりの混沌を見せたかったはずなのだ。『竜馬伝』で出来なかったことをすべてここにぶつけたはずだ。もちろん、それは誰もが見たこともないアクション、というのもそうだった。だが、それはここまでの2作品で十分に達成できたはずだ。しかも、『京都大火編』では、その先に向かっていた。だから、この作品にここまで期待したのではないのか。
明治政府の理不尽な振る舞いに、歯噛みしながら、それでも、その先にある未来を夢見て、戦う剣心の姿を見せてもらいたかった。愚かなことであるのは、重々承知している。伊藤博文に象徴される政府の横暴と独裁は、江戸幕府と変わりない。いや、それ以上に卑劣だ。だが、それでも、志々雄を倒さなくてはならない、と思う。彼の中にあるのは復讐の心だけだからだ。明治政府は何もしてくれなかった。だが、志々雄は何をしてくれる。もっと何もしてくれないのではないか。これ以上の混乱は避けたい。平和が欲しいというのが民衆の願いだ。それを成就するためには彼を倒すしかない。
最初は死ぬことが望みだった。だが、それが変わる。薫と出会い、剣とは無縁の生き方を望み、平和な世界で暮らし。でも、再び戦乱の世を企てる輩に追われることになる。その先が今回は描かれるはずだった。生きることが目的だ。それはラストシーンで達成できたのか。剣心の戦いはまだ始まったばかりだ。そのことを、もっときちんと印象付けるためにも、これをただのアクション映画にしてはならなかった。はずなのだ。