15年前の中学生の頃に還る大人たち。そこで時間が止まったまま。見た目は十分に大人なのに、そこを極端に強調するため、40代、50代の役者たちが30歳を演じている。そのいびつさが笑えるのだが、(特に森本研典さんの30歳は厳しい)彼らの真面目な子供芝居がとてもいい。だから、だんだんそんな彼らの世界に取り込まれていく。30代になろうとする彼らは、本当はまだ十分には大人になってはいない。
心は子供のまま。男子は男子同士集まって、男のコミュニケーション。そこで彼らは中3の頃の自分たちを演じる。廃校になった母校の中学に集まっていつまでも中学生ごっこをする。自虐的な生物部の活動の延長に今がある。でも、興味は女子のことだったりする。
女子はもちろん、女子会をする。パン作りのサークル活動をここでしている。でも、彼女たちは今の自分たちのことをしゃべっている。女たちは男と違って大人であるという自覚はある。
このコミュニティに中学時代のマドンナが戻ってくる事から起きるささやかなざわめきがお話の中心をなす。
こういうコミカルなタッチの深津作品はめずらしい。岩﨑さんは殊更そういう一面を強調してみせていくので、オリジナル以上に明るいタッチの作品になっている。しかし、このゆがんだ男女の構図を通して深津さんが描こうとした世界をわかりやすく、しっかりなぞってみせてくれる。岩﨑、深津という全く別の方向をむいているように見える。2人のコラボがこんなのも上手く、成立したことに驚きを禁じ得ない。
太陽族『かえるでんち』
15年前の中学生の頃に還る大人たち。そこで時間が止まったまま。見た目は十分に大人なのに、そこを極端に強調するため、40代、50代の役者たちが30歳を演じている。そのいびつさが笑えるのだが、(特に森本研典さんの30歳は厳しい)彼らの真面目な子供芝居がとてもいい。だから、だんだんそんな彼らの世界に取り込まれていく。30代になろうとする彼らは、本当はまだ十分には大人になってはいない。
心は子供のまま。男子は男子同士集まって、男のコミュニケーション。そこで彼らは中3の頃の自分たちを演じる。廃校になった母校の中学に集まっていつまでも中学生ごっこをする。自虐的な生物部の活動の延長に今がある。でも、興味は女子のことだったりする。
女子はもちろん、女子会をする。パン作りのサークル活動をここでしている。でも、彼女たちは今の自分たちのことをしゃべっている。女たちは男と違って大人であるという自覚はある。
このコミュニティに中学時代のマドンナが戻ってくる事から起きるささやかなざわめきがお話の中心をなす。
こういうコミカルなタッチの深津作品はめずらしい。岩﨑さんは殊更そういう一面を強調してみせていくので、オリジナル以上に明るいタッチの作品になっている。しかし、このゆがんだ男女の構図を通して深津さんが描こうとした世界をわかりやすく、しっかりなぞってみせてくれる。岩﨑、深津という全く別の方向をむいているように見える。2人のコラボがこんなのも上手く、成立したことに驚きを禁じ得ない。