映画や芝居は本数が減ったけど、読書は大丈夫。というか、冊数では例年より増えている。156冊読んだ。もちろん小説が9割以上だ。その中からのベストテン。
わかりやすいように2019年の出版された新刊本だけでベストテンを選ぼうとしたけど、2018年の10月以降の作品も含めた。130冊ほどになる。(ただし1位の『そして、バトンは渡された』は18年2月だけど)
1位 そして、バトンは渡された (瀬尾まいこ)
2位 線は僕を描く (砥上裕將)
3位 神さまは待っている (畑野智美)
4位 ラストレター (岩井俊二)
5位 イシイカナコが笑うなら (額賀澪)
6位 神様の暇つぶし (千早茜)
7位 うちのレシピ (瀧羽麻子)
8位 ロス男 (平岡陽明)
9位 展望台のラプンツェル(宇佐美まこと)
10位 私の家 (青山七恵)
当然10冊で収まらない。少なくとも50冊は最高におもしろかったと思える小説がある。それなりにおもしろいものを入れると100冊はくだらない。だから読書は楽しい。本を読んでいる時間は現実から離れられる。読書するのは、電車の往復と待ち時間だけだけど、そういう余白をすべて読書で埋めている。だから僕はスマホは持たない。本があれば十分だからだ。
次点からタイトルだけでも羅列しよう。このブログで紹介していない本もたくさんある。劇場で見た映画と芝居は基本すべてここに書くようにしているけど、さすがに小説までは書けない。DVDで観た映画も。それと、大量に映画を見た時も無理。
『不在』(彩瀬まる)は傑作、これをベストに選んでもいい。伊坂幸太郎とか、吉田修一、小路幸也なんかはいつもおもしろい。ただ、吉田修一渾身の一作のはずの『国宝」({上下2巻の大作)にはあまり乗れなかった。あれなら同じように芸を描く大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』のほうが好き。彼女の『モモコとうさぎ』も最高。でも、吉田修一の『続・横道世之介』はよかったし、他にもたくさんあった。金子薫『壺中に天あり獣あり』には感心した。こういう幻想小説はいい。山崎ナオコーラ『趣味で腹いっぱい』は楽しい。こんなふうに生きることができたならいい。
寺地はるな『ミナトホテルの庭には』、中村航『サバティカル』、小手鞠るい『瞳のなかの幸福』、住野よる『麦本三歩の好きなもの』岸政彦『図書室』、楡周平『鉄の楽園』、桂望実『たそがれダンサーズ』、アンソロジーなら『行きたくない』。
森見の『熱帯』は少し残念だったけど、彼の新刊を読めたのはよかった。
芦辺拓『新・二都物語』上田岳弘『ニムロッド』、藤井太陽『東京の子』、市川朔久子『しずかな魔女』、佐川光晴『昭和40年男』、町田良平『愛が嫌い』。いくらでも出てくる。きりがない。