この芝居は寺田夢酔さんの代表作である。代表作というのは人が決めるものではない。彼が胸を張ってそう名乗るからこれは彼の代表作となる。彼は本当にこの作品が好きなのだ。もちろん周囲の人たちもそう認めるから、代表作となるのだろうが、でも例えみんなが認めなくても彼は「これは俺の代表作です!」というのだろう。そんな潔さすら感じさせる。なんでこんなまどろっこしいことを言うのかというと、寺田さんのこの作品に対する愛情が痛いほど伝わってきてそれがなんだかとても嬉しかったからだ。
この作品は、何度見てもその都度、心なごまされる。とても丁寧に作られた芝居である。この作品に対する想いがしっかり伝わってくる。寺田さんは自分の生き方を坂本竜馬という男の生き方に重ねる。だから主人公は寺田さん自身が必ず演じる。周囲のキャストは毎回変われどもその1点だけは変わることがない。劇団にとって節目節目となる時期に上演される。そして、これからもそうされていくことだろう。3回だけでなく、これから5回、10回と上演されていくだろう作品だ。
これは寺田夢酔とその仲間たちの物語である。寺田という男のほれ込んだ仲間たちがこのちょっと困った大将を立てて彼を守り、よろずやという集団を作り上げていく物語だ。それが坂本竜馬と海援隊の仲間たちの物語として語られる。リョーマが寺田夢酔とイコールとなっていくところがミソである。それをあざとくならないように見せる。ディテールまでよく出来ている。シチュエーションコメディーのスタイルを援用しながらも、幕末の動乱の時代を、明日すら見えない時代を、軽やかに生き抜く男たちのドラマとして爽やかに見せていく。
今回、ウルトラマーケットの広々とした空間を使って、役者たちは思いっきり羽を伸ばし、舞台を走り回りながらこの芝居を見せようとする。いささかのオーバーアクトすら、心地よい。この群像劇は元気でなくては成立しない。冗談のようなてんやわんやの中、海援隊という集団がリョーマを中心にしてこの国を明るい未来に向けて導いていこうとする姿を描く。彼らの未来は必ずしも幸福な未来ではない。半年後には竜馬は死んでいく。だが、この瞬間彼らは生きていた。それだけで充分なのだ。これはとても気持ちのいい青春ドラマである。
この作品は、何度見てもその都度、心なごまされる。とても丁寧に作られた芝居である。この作品に対する想いがしっかり伝わってくる。寺田さんは自分の生き方を坂本竜馬という男の生き方に重ねる。だから主人公は寺田さん自身が必ず演じる。周囲のキャストは毎回変われどもその1点だけは変わることがない。劇団にとって節目節目となる時期に上演される。そして、これからもそうされていくことだろう。3回だけでなく、これから5回、10回と上演されていくだろう作品だ。
これは寺田夢酔とその仲間たちの物語である。寺田という男のほれ込んだ仲間たちがこのちょっと困った大将を立てて彼を守り、よろずやという集団を作り上げていく物語だ。それが坂本竜馬と海援隊の仲間たちの物語として語られる。リョーマが寺田夢酔とイコールとなっていくところがミソである。それをあざとくならないように見せる。ディテールまでよく出来ている。シチュエーションコメディーのスタイルを援用しながらも、幕末の動乱の時代を、明日すら見えない時代を、軽やかに生き抜く男たちのドラマとして爽やかに見せていく。
今回、ウルトラマーケットの広々とした空間を使って、役者たちは思いっきり羽を伸ばし、舞台を走り回りながらこの芝居を見せようとする。いささかのオーバーアクトすら、心地よい。この群像劇は元気でなくては成立しない。冗談のようなてんやわんやの中、海援隊という集団がリョーマを中心にしてこの国を明るい未来に向けて導いていこうとする姿を描く。彼らの未来は必ずしも幸福な未来ではない。半年後には竜馬は死んでいく。だが、この瞬間彼らは生きていた。それだけで充分なのだ。これはとても気持ちのいい青春ドラマである。