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映画・演劇のレビュー

『GAMBA ガンバと仲間たち』

2015-10-28 21:57:39 | 映画

白組が10年の歳月をかけて作り上げた3D超大作アニメーション。街ネズミのガンバは海を見たくて旅に出る。そこで出会った島ネズミを助けるため、船に乗ってさらなる冒険の旅にでる。ネズミが主人公の映画ならもうピクサーの傑作『レミーのおいしいレストラン』がある。あの映画を超えることは困難だ。

しかし、これはアプローチが違うし、壮大な冒険活劇だ。きっとドキドキハラハラの大冒険を見せてくれるはず、と期待して見始めたのだが、本題である島でのノロイ(イタチの化け物)との戦いになると、つまらなくなる。というか、お話が狭い。スケールが大きな話のはずなのに、まるで世界が広がらないのだ。こんなことなら、町の中での冒険に終始したほうが大冒険を描けたのではないか。

お決まりの展開しか見せられないから、先が読めて、つまらない。もちろん、こういうお話は定番を踏まえた展開になるのは当然なのだが、そこにどれだけの意外性を秘めたディテールを描き込めたのよって、勝敗がきまる。だが、これはそうはしなかった。古沢良太脚本なのに、どうしてこんなことになったのだろうか。

映像自体はさすがに美しいし、確かにすごいのだが、それだけでは感動には至らない。とても残念な出来だ。それに比例したように、客席も寂しかった。僕が見た回は、大きな劇場に客が2名。(僕と、老人だけ)ちょっとのけぞった。平日の夜の回とはいえ、それはないだろ、と思う。


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