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映画・演劇のレビュー

『悪魔のいけにえ 3D』

2013-08-05 20:38:28 | 映画
『悪魔のいけにえ 3D』とタイトルには書いたが、正確には『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』である。でも、このタイトルはさすがに嫌だ。こんなの映画のタイトルではない。ただのアトラクションである。だから、敢えてこのタイトルにした。

 オリジナルから40年。トビー・フーパーによる続編もあるけど、(あれは、もう『悪魔のいけにえ』ではない!)あのオリジナルのテイストを踏まえての正統的な続編の登場である。事件の1時間後から、話は始まる。さらには、10年後、再び惨劇が起こる。ありきたりな設定だが、原作の精神をちゃんと引き継ぐ映画作りを目指したジョン・ラッセンホップ監督の姿勢は評価されてもいい。もちろん、オリジナルのまがまがしさ、おぞましさは、不可能だ。しかも、3Dによるアトラクション映画としての側面もある。でも、ちゃんと18禁映画として、残酷描写も半端ではないし、あの気味の悪さ、安っぽくてうら淋しいB級テイストは健在だ。

 冒頭のテンポの良さ。オリジナルの映像を引用して、ここで起きた事件の全貌をダイジェストで見せる手つきも鮮やか。一気に作品世界に叩き込まれる。本題に突入してからも、ヒロインがこのテキサスの町にいざなわれる動機も、ちゃんとしているし、ゆったりと話が始まり、レザーフェイスの登場から一気に恐怖の殺戮と逃亡の物語になる展開も見事。しかも、今回は町中を巻き込んでの大騒動になる。

 アイデアもいいし、オリジナルへのリスペクトもちゃんとなされてあるから、気持ちがいい。安易なホラーではなく、古典的傑作を貶めない続編に仕上がった。アメリカでは大ヒットしたようだが、日本では、3週間のレイトショー公開のみというのが寂しい。でも、結構客は入っていた。マニアのファンはちゃんといるのだろう。(3週目の日曜日になんばで見た。)





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