福山雅治主演のTVドラマ、「ガリレオ」シリーズの新作映画である。前作『容疑者Xの献身』同様TVシリーズとは微妙に立ち位置の違う作品に仕立てられてある。西谷弘監督は今回のTVの新シリーズには全くのノータッチらしい。だから、この劇場版のみの登板。しかも、これは先日までオンエアされていた第2シリーズよりも先に製作されていたようだ。だから、ますます独立した作品の色合いを持つ。コミカルな仕立て方のTVとは違って、映画はシリアスで最後まで押し通す。
今回の映画は環境破壊の問題に挑む。海洋開発の弊害を前面に出しながら、殺人事件の謎を追う。とは言いながらも、この作品は、東京を離れて、地方を舞台にしたため、なんだかこれはちょっとした「旅もの」のような雰囲気を醸し出す作品になった。ラストでこの海辺の町を去っていくシーンで、なんだかとても甘酸っぱいような切ないようなそんな気分になる。これってなんだ? と考える。すると、すぐに答えが出た。これは、旅の終わりのさみしさなのだ。自分の暮らす都会の喧騒を離れて、のどかな田舎町にやってきて、リフレッシュする。夏のバカンスを楽しむ。なんだかそんな感じの映画に仕上がっている。
これはどちらかというと、市川昆監督、石坂浩二の主演の金田一耕助シリーズのノリなのだ。列車の乗ってやってきて、列車で去っていく。殺人事件というスパイスはあるけど(なぞ解きはあくまでスパイス程度!)、田舎の町でしばらく逗留し、みんなから愛され名残惜しまれて、東京に戻る。湯川先生と金田一はこんなにも似ているのだ。
だから、これは『容疑者Xの献身』ともまるで違う。大体あの作品は、オープニングで、妥協してTVシリーズのテイストを指示した。本編に入ると、さすがにそうではなかったけど、完全にはTVのファンに媚びない作り方は出来なかったので、少し全体のバランスを崩していた気がする。だが、今回は大丈夫だ。最初から確信犯である。
子供との交流が描かれると、普通ならあざといものになるところだが、これは違う。湯川先生の子供嫌いが、このエピソードの根底にあるから、従来のあざとい展開は避けられる。環境問題への切り口はどうしても弱くなるけど、仕方ないだろう。あくまでも娯楽映画としての矜持を守りながら、でも、バランスのいい大作仕立てで、TVシリーズのファンもちゃんと楽しませる。職人監督として、西谷監督は自分の使命を全うした。
今回の映画は環境破壊の問題に挑む。海洋開発の弊害を前面に出しながら、殺人事件の謎を追う。とは言いながらも、この作品は、東京を離れて、地方を舞台にしたため、なんだかこれはちょっとした「旅もの」のような雰囲気を醸し出す作品になった。ラストでこの海辺の町を去っていくシーンで、なんだかとても甘酸っぱいような切ないようなそんな気分になる。これってなんだ? と考える。すると、すぐに答えが出た。これは、旅の終わりのさみしさなのだ。自分の暮らす都会の喧騒を離れて、のどかな田舎町にやってきて、リフレッシュする。夏のバカンスを楽しむ。なんだかそんな感じの映画に仕上がっている。
これはどちらかというと、市川昆監督、石坂浩二の主演の金田一耕助シリーズのノリなのだ。列車の乗ってやってきて、列車で去っていく。殺人事件というスパイスはあるけど(なぞ解きはあくまでスパイス程度!)、田舎の町でしばらく逗留し、みんなから愛され名残惜しまれて、東京に戻る。湯川先生と金田一はこんなにも似ているのだ。
だから、これは『容疑者Xの献身』ともまるで違う。大体あの作品は、オープニングで、妥協してTVシリーズのテイストを指示した。本編に入ると、さすがにそうではなかったけど、完全にはTVのファンに媚びない作り方は出来なかったので、少し全体のバランスを崩していた気がする。だが、今回は大丈夫だ。最初から確信犯である。
子供との交流が描かれると、普通ならあざといものになるところだが、これは違う。湯川先生の子供嫌いが、このエピソードの根底にあるから、従来のあざとい展開は避けられる。環境問題への切り口はどうしても弱くなるけど、仕方ないだろう。あくまでも娯楽映画としての矜持を守りながら、でも、バランスのいい大作仕立てで、TVシリーズのファンもちゃんと楽しませる。職人監督として、西谷監督は自分の使命を全うした。