久々に重量級の映画を見た気がする。薄っぺらで、小さくて,底の浅い映画が横行する中、これはあらゆる意味で超大作にふさわしい作品だ。にもかかわらず,映画自身は慎ましい。鳴り物入りの映画から遠く離れて、地味で、華やかさからは無縁で、丁寧で、地道な映画なのだ。グリコ森永事件を題材にして、壮大なフィクションを提示していく。だが、それはとてもリアルで真相とはこんなものなのかもしれないと思わせる。
  . . . 本文を読む
三木孝浩監督が手掛ける本格ラブストーリー。韓国映画の『ただ君だけ』のリメイクだ。最初は知らなかったから,冒頭のエピソードを見たとき、驚いた。このお話見たことがある、と思った。駐車場の出会いのエピソードはインパクト大だから、忘れられない。だけど、映画のお話自体はそのままのリメイクではなく、かなりの部分はオリジナル展開をする。
これは三木監督らしい優しい映画だけど、少し甘すぎて、リア . . . 本文を読む
コロナ禍で公演が困難な状況下、それでも芝居がしたいという思いを持つ人たちはそこここにいるのは当然のことだろう。というか、みんな芝居が好きだから、こんな状況で芝居から離れて、イライラしている。シニア演劇大学が、この小さな公演を確かに挙行したことを心から嬉しく思う。吉田先生が35年前に牧野高校で上演した作品を高校生からシニア世代へとバトンを渡し、再演した。しかも、今回はリーディング公演である。それは安 . . . 本文を読む