上原ひろみ「アナザー・マインド」






 今年最後のジャズは上原ひろみです。2003年のデビュー作。日本人では大西順子を好んでいますがディスクで聴くのは二人目になります。

 刺激的なオリジナル曲。疾走感、シャープさにしっとり感もあります。
 70年代のエレクトリックマイルズとその派生は大好きだったこともあるのですが、ロックに近づいた音楽を個人的にはジャズには求めません。
 上原ひろみのジャズもその傾向はあるのですが、ロックとは違う荒々しさ、惹きつける力があります。

 第2作のブレイン、第3作のスパイラルを聴くと、ジャズというよりインストゥルメント多めに聴こえます。オリジナルに拘るとこうなるのかなぁという印象ですが引き出しは多そうです。まずは2003年から2005年までをじっくり聴いてみようと思います。


 今年はジャズを本格的に好きになった幸せな年になりました。感謝。来年の抱負はジャズを実演で聴いてみることです。海外の有名人をブルーノートでとはいいません。どこかのライブバーでピアノ、ベース、ドラム、ホーンを色々と聴きたいです。楽しみが増えました。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

サラ・ヴォーン「アット・ミスターケリーズ」




 11月中旬から始まった個人的なジャズのムーブメント。幸せな2ヵ月となりました。

 今年最後の区切りの1枚、サラ・ヴォーンの1957年、シカゴでのライブです。

 このディスクにはオリジナル9曲に加えて後半にボーナストラックが11曲入っています。これまでだとアーティストの意向と違う余計なお節介はやめろと怒っていたところですが、レコードの片面限界は25分(製造面での推奨は15分)、40分くらいが上限だとすると本当はもう少し多くの演奏を入れたかったのではなどと想像するようになりました。

 ボーナストラックの1曲目はパイドパイパーズが歌ったドリームズでこれは絶対に聴きたい。その後もまるでライブの後半のように歌は続き自然と盛り上がっていきます。

 エンブレスミーを歌い始めると客からイエーの歓声が入り、サラがつられて笑う、微笑ましいシーンです。

 ラストの5曲、ラッキーインラブ、ダンシングインザダーク、プアバタフライ、サムタイムズアイムハッピー、アイカバーザウォーターフロント。前奏での即興歌、観客との掛け合いも含めて最高です。痺れる。クリフォード・ブラウンのウィズストリングスを聴いているように痺れます。当日の観客と一緒に私も拍手したい。こんなにボーナストラックが嬉しいディスクを聴いたことはありません。全体として20曲のライブとして楽しめる演奏です。

 やはりスタジオ録音での別テイクのボーナストラックは基本的に不要ですが、これからは少し寛容にボーナストラックとも付き合えればと思いだしました。

 ジャケット写真もいいです。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )