クアトロではワインを飲んで欲しいが、まずはビールもおすすめだ。
ビールはアルコールが少ないので胃に食べ物が入る前には、このまずはビールの一杯が体に優しい。
このビールも飲み方で美味しさが違う。
まず、ビールはグラスかジョッキに注いで飲む。
程よくガスが抜けた方が美味しい。
さらにグラスの二割ぐらい泡を被っているつぎ方が良い。
その泡がグラスの蓋の役割をしてガスが抜けすぎないようにする。
上手にビールが注げたら、背筋を伸ばし斜め45度ぐらいにグラスを傾けてビールを喉に流し込む。
ビールの美味しさはのどごしだ。
ビール初心者はビールをなめるように飲む。
これはいけない。
ビールを舌に乗せすぎると苦みばかりを感じてしまう。
そして、一杯目は特別に美味しいから、プッハーという感嘆詞をあげる。
(注・このビールの飲み方は、あくまでも、クアトロの父の個人的な意見であり、他人に強要するものではない)
仕事が終わり、ビールサーバーを洗浄するときに、管にグラス一杯分ぐらいのビールが残っている。
この残りのビールが特別に美味しく、クアトロの父の小さな楽しみだ。
仕事が終わったということもあるが、この残りのビールはほどよく冷えていて若干ガスが抜けている。
プッハーと心の中で叫び、一日の仕事を振り返るクアトロの父だ。
いよいよ年末にワインを飲む機会が増える。
そこで、そんな時に参考になるかもしれないクアトロの父のうんちく。
乾杯には、泡ものが定番だが、この泡ものとは、発泡ワインのことで、スパークリング、シャンパン、クレマン、カヴァ、スプマンテ、ゼクトなどと色々な呼び名がある。
どの発泡ワインにしても、ワインを究めようとするものは、泡ものの持つ優雅な雰囲気を大事にする。
まず抜栓の時は、スッパーンと景気よくやるよりも、静かに注意深く栓を外し、淑女のため息のようなプシュっという開け方を求めなくてはならない。
「プシュ、これから魅惑のひとときが始まるのね」とスパークリングワインが囁くがごとく。
次に、グラスは細長いトゥールシャンパンを用意する。
麗しのサブリナのようにお尻のポケットにグラスを入れて、屋外で飲むのも良いが、まずは室内で素敵な人と一緒に飲もう。
注がれた泡ものワインはグラスの下から静かに小さな泡が無数に立ち上るものが良い。
ゴボゴボと泡が出てくるものは優雅とは云えないものだ。
この泡をワイン通は、パールと呼ぶ。
グラスの中ににパールが連なれば、これを真珠のネックレスと呼ぶ。
次に乾杯の時は、グラス越しに「君の瞳に乾杯」とハンフリー・ボガードのようにきめゼリフを放つ。
いや、これはどうかと思うので、目の高さにグラスを揚げて、ウインクをしよう。
いや、これもどうかと思うので、エアーで乾杯しよう。
いよいよ年末にワインを飲む機会が増える。
そこで、そんな時に参考になるかもしれないクアトロの父のうんちく。
気の合った仲間でワインで乾杯。
しかし、ここでビールのようにチーンとグラスを合わせるのはやめよう。
ここは、ちょっと気取ってグラスを目の高さに上げて「乾杯!」と唱和する程度にしよう。
あとは、会話を楽しみながらワインを飲もう。
ワインの一番大事なマナーは、楽しく飲むことだった。
しかし、ワインを飲み進むと必ず「このワインのお味はいかがでしたか」と、サービス係がやってくる。
もちろん「美味しいですよ」で良いのだが、どう美味しいのか表現出来るとさらに、レストランでのワインが楽しくなる。
クアトロの父がそのこつも伝授しよう。
ワインの味の表現は、おおよそ4つぐらい覚えておけば良いだろう。
エレガントまたは、優雅な味わい
力強いまたは、厚みのある味わい
香ばしさのある味わい
フルーティーまたは、果実味のある味わい
の4つだ。
また、それぞれわ合わせて使えば色々に表現出来る。
たとえば、シャルドネやピノ・ノワールは、「エレガント」。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、「力強く厚みがある」。
ジンファンデルやメルロは、「果実味が豊か」。
グルナッシュやカリニャンなどは、「優雅で果実味がある」。
シラーやマルベックは、「力強く、香ばしい」。
などなど。
「このワインのお味はいかがでしたか」
「美味しいですね、とても優雅で力強く、さらに香ばしくて果実味が豊富ですね」
あまり並べすぎるのは、危険だ。