お盆最後の日、旧友が訪ねてきた。
いつもながら全訳(旧事本紀)を早くしろと催促して
帰っていった。
お互いに歳をとったが、向こうは以前より元気で
口では言わないがやる気満々な感じである。
歳をとって元気になる人の特徴は、好奇心を絶やさない
ことのようだ。
帰り際、なんか面白い本あったらおせーろよ、と言った。
なんかもう感動する本探すのってけっこう大変なんだよ、
と言う。うん、ないもんね。
そういう人は旧事本紀を読めばいいわけだが、
そこんとこ、難しい。関連書はあってもまともな原書が
ない。雑誌に訳文が載ったりしたが、あれはあれ、
これではないからなあ。
歳月を数えるのはいやだから、はたらくとしよう。
背中を押したりつついたりしてくれる友に感謝。
あの人、いわな釣りが趣味だから川の神さまの話なんか
して、よく聞くとアブのことなんだけど。
友自身が神さまのお使いみたいな顔をして、ふらりと
やってきた。
民俗学のフィールドワーク、その原点の神話をどう解釈
するか。歩きまわって、たまに顔をみせると珍しい話を
たくさんしていく。いつも結論は同じで、モノではない、
モノを見透すには、心が必要だということになる。
その心がわかんないから歩きまわっている気がすると
言っていた。
じゃあ座れよと言ってあげればよかったなあ、そろそろ
座りたくなったのかもしれない。
カメ先生は忙しいのかと聞いてたなあ。