心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

美しく老いる

2007-11-04 17:59:54 | Weblog
 きょうは爽やかな秋の京都で1日を過ごしました。正確にいえば、前日の夜、大学時代のクラブのОB会があって、きょうは朝から母校のホームカミングデーにでかけていました。昨年に続いての参加です。今年はわたしの大の親友も誘い、同じ部屋でひと晩呑んで語り明かしました。
 参加したメンバーは、わたしたちのひと世代前の先輩諸氏、そして、わたしが在学中の先輩諸氏と同僚たちといった面々です。つまり、定年退職をした世代と、あと数年で定年退職する世代、つまり団塊の世代です。その世代と少し外れたところにわたしたちの世代が踏ん張っているわけです。それだけに、悠々自適の生活報告、親の介護やお孫さんのことなど話題も豊富で、わたしたちは聞き役に回っていました。リタイア後にジャズピアノを始めた方、四国巡礼を続けている方など、企業戦士としての仕事生活を終えたあとの自分探しを楽しんでいる姿に感銘を受けました。
 某先輩は、来年1月に定年年齢を迎えるのだそうです。お酒の流通のお仕事をされて30有余年、国内はもとより海外にも買付にでかけ、お客様に喜ばれるお酒を求めて東奔西走されたご様子でした。造る人間の心によってお酒のでき具合が違うのだそうで、地方の小さな酒蔵の中に、驚くほど美味いお酒があるのだとか。その製法の違いもお聞きすることができました。食品の製造日偽造事件が話題になっていますが、「造る心」を失った商品はいずれ淘汰されていくのだと、改めて思ったものです。
 ところで、先輩女性の方々も何名かご参加になっていました。相変わらず知的な雰囲気が漂い、年齢とは違うところで「老いの美しさ」のようなものを実感しました。このことは男性も同じです。老いというと、なんだか人生の終わり、寂しさのようなものを想像しますが、けっしてそうではありません。「心」の持ちようで美しく歳をとることができるんだと思いました。妙な柵から開放されて、一人の人間として自分を見つめ直していらっしゃる。そんな先輩諸氏にお会いして、わたしはたくさんのことを学びました。
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