心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

雨に濡れたグラバー園

2014-06-22 20:46:23 | Weblog

 この土日、長崎に行ってきました。ご当地でご活躍の社友の方々の年に一度の宴に来賓として出席するためです。88歳にしてなお元気な方もいらっしゃいます。皆さんそれぞれにこの地の発展に尽くされ、リタイア後もなお努力を惜しまない心意気に頭が下がる思いがいたしました。

 そんな長崎出張でしたが、きのうは少し早く到着したので、雨のなか、大浦天主堂とグラバー園を散策しました。美しい紫陽花の歓迎を受けながら、歩く歩道で一気に旧三菱第2ドックハウスに到着です。2階のベランダから長崎港を一望したあと、丘を下っていくと、移築された旧長崎高商表門衛所に出会いました。明治から昭和初期にかけて日本の経済分野の高等教育をになった官立の高等商業学校(現長崎大学経済学部)のことですが、実はそこは明治生まれの父が学んだ学校でした。記念碑の一画に添えてあった創立当時の写真を眺めながら、かつて父がこの門をくぐっていたんだと思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。
 次に立ち寄ったのは、「祈りの泉」と言われるところ。そこには、日本で初めて国際的な名声をつかんだオペラ歌手、三浦環の像がありました。歌劇「蝶々夫人」つながりでしょうか、プッチーニの像と一緒にならんでいました。歌劇が大好きだった父、所蔵していたSPレコードの中に三浦環さんのSPもあった記憶がよみがえってきました。蓄音機から流れる女性の甲高い歌声を不思議そうに聞き入ったのは、私が何歳の頃だったことやら。ネットでYou Tubeを検索したら、三浦環さんの蝶々夫人がヒットしました。このブログでは初めてになりますが、そのYou Tubeを転載させていただきました。

 そのあと、国指定重要文化財の旧リンガー住宅と旧オルト住宅、その横にあった旧スチイル記念学校を見て回ったあと、旧グラバー住宅に向かいました。なんと1863年に建てられた洋館で、現存する日本最古の木造洋風建築と紹介されていました。その庭から眺める長崎湾も、すばらしい風景でした。以前に長崎に来たのは30代の頃です。当然に、このグラバー園にも来ているはずですが、晴れ渡ったグラバー園とはひと味違う、雨に濡れた、しっとりとした風情が心をなごませてくれました。  今回は、仕事の合間をぬって1時間ほどの散策になりましたが、ゆっくりと、そう半日ぐらいはぼんやりと寛ぎながら園内を楽しみたいと思います。次回は、リタイア後に家内と一緒に訪ねることにいたしましょう。

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