心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

秋の神戸ハイキング

2016-10-24 09:59:25 | 歩く

 きのうの日曜日は、朝から庭掃除でした。掃除というよりも草むしりといった方が良いかもしれません。いつでも時間があるからとほっておいたらとんでもないことになっていました。半日を費やした作業が終わるとシャワーを浴びて小休止です。すると家内が「すだち茶を飲む?」と。え?それなに?。
 今年はすだちが豊作で、一本の木から百個ほどできました。そのうちの半分を収穫して、陰干しにしていたのですが、それを使って家内がマーマレードを作ったのです。それを湯呑茶碗に入れて熱い湯を注ぐと、なんとも香しい「すだち茶」に変身です。これでこの冬は風邪をひかないだろうというのが初老の夫婦の会話でありました。(笑)
 さて、おとといは「秋の神戸ハイキング」に行ってきました。阪急交通社では、ハイキングを三つに区分しています。標高差250m前後、3時間前後の山歩きを「初級」、標高差400m前後で4時間前後の山歩きを「中級」、標高差400m以上、4時間以上を健脚向きの「上級」といった具合です。これより軽い、起伏の少ない整備された道を歩くのが「ウォーキング」、逆に標高差500m以上で4時間以上歩くのが「登山」あるいは「トレッキング」と言うのだそうです。
 今回わたしが初めて挑戦したのは「ハイキング中級」にあたります。阪急神戸三宮駅から徒歩5分のところにある生田神社から出発して、およそ2時間で六甲山系の再度公園に到着、そこで昼食休憩をとったあと、布引貯水池、みはらし展望台、布引の滝を通って異人館街に至るというものです。標高差408m、約4時間、12㎞でした。
 早めに家を出たので、生田神社には午前8時30分に着きました。この日は二千人という参加枠でしたが、まだ人もまばらでした。それでも50人ほど集まると順次、軽くストレッチをして出発とあいなりました。第一陣は健脚揃いの方々ばかりで、皆さん一定のリズムで気持ちよく歩いていらっしゃいました。わたしもそれに負けじと、そのリズムに合わせて歩き始めました。こんなとき、早朝散歩の成果が現れます。最後までリズムを崩さずに歩きとおすことができました(笑)。
 神戸山手女子高校を過ぎるあたりから徐々に山深くなってきます。大師道あたりは結構きつい山道が続き、やっと猩々池で一服です。
 そこからさらに嶮しい道をのぼると視界が急に開けて、昼食ポイントである再度公園に到着です。広い池を眺めながら、一緒に歩いた方々とおにぎりを美味しくいただきました。
 あたりをぶらり散策すると、「弘法大師修法之地」と刻んだ石碑がありました。そういえば、途中に「大師道」や「大竜寺」という矢印が気になっていました。帰ってネットで調べてみると、唐の国にいく弘法大師が所願成就を祈願したお寺で、無事帰国した弘法大師は帰朝報告奏上のため再び参籠したのだとか。それで、この山が「再度山」(ふただびやま)と呼ばれるようになったとありました。違和感のあった「再度」の名前の意味が分かりました。
 昼食休憩が済むと今度はゆるやかな下り坂です。清流を横目に林の中の径をひたすら歩きます。布引貯水池が見えてきました。これが神戸の水瓶なんでしょうか。こうした六甲の豊富な水が灘の酒を美味しくしているのでしょう。
 なお下ると、神戸市内が見わたせる展望台に着きます。ここでひと休みです。神戸三宮の市街地と神戸港を望むことができます。来年は「神戸港開港150年」なのだそうです。
 そしてさらに下ると、布引の滝「雄滝」が見えてきます。その美しい姿に足が止まります。なによりも、このあたりの水の美しさ、清らかさ。市街地にほど近いところに清流が流れています。手で掬って飲んでみたいほどですが、清流は径のずいぶん下を流れています。
 新幹線の新神戸駅の裏側付近に着くと、今度は最後の上り坂。これが気持ち的には結構きつかったように思います。あと少しと思っていたところでの急な坂道だからです。最後の力を振り絞って、やっと観光客で賑わう異人館街に到着しました。

 そんな具合で、午後1時過ぎには三宮駅の構内にいました。思っていた以上に楽に歩けたので、その余力を使って三宮界隈を散策して帰ることにしました。駅前のチケット屋さんを何気なく覗いてみると、神戸市立博物館で開催中の神戸開港150年プレイベント「松方コレクション展~松方幸次郎 夢の軌跡」のチケットを売っていました。それではということで、駅から港に向かって徒歩15分ほどのところにある博物館に向かいました。
 私が松方幸次郎なる人物に出会ったのは、玉岡かおるさんの小説「天崖の船」でした。川崎造船所の初代社長で、当時としてはめずらしく海外の大学に学び、欧米との行き来をするなかでホンモノの美術品に魅せられた人物です。ロートレック、モネ、ピカソ、ロダン、歌麿など観て、これまたふだんとは異なる心の世界をハイキングしました。
 こうして午後3時、阪急電車に乗って帰途につきましたが、なんと大阪・梅田駅について席を立とうとすると、足が棒になっていました。(笑)だめですねえ。もう少し鍛錬して20㎞ぐらいは楽に歩けるようになりたいですね。秋も深まりますので、いろんなハイキング企画を調べてみることにいたしましょう。

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