心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

連休前半は春の古書大即売会へ

2022-05-04 16:07:57 | Weblog

 ここ数日、初夏の太陽が地面を照らし爽やかな空気が身をつつむお天気が続きます。旧暦では「蛙始鳴」といい、春先に目覚めた蛙がウォーミングアップを終え、田圃や野原で元気に鳴きはじめる時季です。そういえば昔、5月の連休を子供たちと湖北の山小屋で過ごした頃、夜遅くまで遠くの田圃から蛙の鳴き声が森の中に聞こえていました。屯田兵よろしく電動草刈り機で家の周りの草刈りに精を出したあと、夕暮れ時になると焚火をしながら焼き芋を作ったりしました。その時の子が今、孫娘を連れて帰っています。時の流れのなんと早いことか。

 ゴールデンウィークの前半は、次男君一家がやってきて賑やかな毎日を過ごしました。長女一家と一緒にお寿司屋さんで食事会を開いたり、京都岡崎の動物園に孫娘を連れて行ったり。いつも行っている横浜の動物園とは違う空気を楽しんでくれたようでした。
 その孫娘ですが、2歳半を迎えてお話しができるようになりつつあります。ふだんの親との会話の中で単語のひとつひとつの意味を理解しながら、未だ片言ですが、ひとつひとつの単語を繋げて意思を伝えられるようになりました。笑顔と言葉と身振り手振り。こうして人間のコミュニケーション能力は高まっていくのでしょう。成長にむかって強かな第一歩を踏み出しました。
 そうそう、京都市動物園に行った序に、私は少しだけ別行動をしました。京都市勧業館「みやこめっせ」で開催中の「春の古書大即売会」を覗いてきました。3年ぶりでしょうか。だだっ広い会場に30店舗あまりが店を構え50万冊以上が並ぶ国内最大規模の古本市です。1時間後に会場入り口で待ち合わせることにして、ざあっと見て回りました。
 限られた時間の中でこの日連れて帰ったのは、切畑健著「狂言の装束」(京都書院美術双書)、新潮古典文学アルバム20「上田秋成」(新潮社)、皆川弘至著「わが音楽巡礼」(一藝社)の3冊でした。次男君一家を送り出した後、きょうの昼下がりは、そのうちの1冊を眺めながらぼんやりと過ごしました。
 そういえば、東京にいる中学生の孫娘から我が家の家紋を教えてほしいというLINEが届きました。自主学習の一環なんだそうです。答えは「丸に立ち梶の葉」。その由来を紐解けばひとつの歴史が見えてきますが、着物を着る機会がなくなりましたので、家紋自体の存在感も薄れてきています。

 その一方で、人類が長い年月をかけて学んできた「歴史」を、いとも簡単に反故にしてしまうのがロシアです。プーチンという1人の悪しき為政者のために多くの尊い人命が失われている現実を目の当たりにして、何もできないもどかしさを感じならが日々を暮らしています。
 そんななか胸に響いたのは、米国防総省のカービー報道官の記者会見でした。「現地の状況を見れば、思慮深く、真面目で、成熟した指導者がやることとは思えない。誰が見ても、彼は堕落している」と、感情をあらわにして非難する場面がありました。「ロシアの国益やウクライナ国内のロシア人を守るためだと言うが、何もウクライナによって脅かされていない。それなのに何の罪もないウクライナ人が殺され、後ろ手に縛られて後頭部を撃たれている。妊婦が殺され、病院が爆撃されている」と。全世界の人々が思っていることを、報道官という立場から率直に語ったカービー氏の「良心」に感銘を受けました。
 さて、明日からゴールデンウィークは後半を迎えます。先日お伝えしたように明日から東京に出かけ長男君一家らと会う予定です。ということで今週はひと足早いブログ更新とあいなりました。きょうのBGMはLPレコードからモーツアルトの「クラリネット協奏曲イ短調K.622」を選びました。演奏は、カール・ベーム指揮のウィン・フィルハーモニー管弦楽団、クラリネット奏者はアルフレート・プリンツです。

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