心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

73回目の夏

2023-08-21 09:46:58 | Weblog

 蝉時雨のなか、緑深い52番札所・太山寺の参道を歩いていて気づいたことがありました。いろんな蝉の声が聞こえていて、なにやら蝉の大合唱のようでした。都会地にいてはなかなか出会うことのない「音の風景」でした。この日も35度に迫る夏の一日でした。
 73回目の夏を迎えました。父が仕事に区切りをつけて田舎に引き上げてきた同じ年齢です。戦時中に妻子を実家に疎開させて以後も自らは企業戦士として半世紀にわたり東京、京都、大阪で働いて来た父も、寄る年波には勝てなかったのでしょう。一方の私はと言えばリタイアして早いもので8年になります。もういい加減にゆったりまったりの余生を過ごしたいと思いつつ、某NPOにてボランティアという名の仕事をしていますが、これがまた結構忙しい。
 厚生労働省は7月28日、2022年の平均寿命と平均余命が記載された令和4年簡易生命表を発表しました。男性の平均寿命は81.05歳だとか。ということはあと8年です。健康寿命は男性が72.68歳と待ったなしです。そろそろ身体を労わらなければならない年齢になってきました。でも、社会活動に参加している高齢者ほど健康状態が良いとも言われていますから、もうしばらくは頑張ってみようかと思っています。
 さて、前置きが長くなりました、昨日一昨日と四国遍路ツアーに参加してきました。今回は愛媛県は松山、今治方面です。52番・太山寺、53番・園明寺、54番・延命寺、55番・南光坊、56番・泰山寺、57番・栄福寺、58番・仙遊寺、59番・国分寺の8カ寺です。バス移動ばかりしていると駐車場から境内までの道のりがなんときついことか。汗を流しながら登っていきました。前回は寺々を自分の足で歩いてお参りしていたことを思うと、なんと楽な巡礼であることか。それでも、行く先々でぼんやりと前回のことを思い出したり、山門前で次のお寺へのお遍路の矢印案内についつい足が向いてしまったり....。
今回は、今治市内のホテルに一泊しました。今治と言えば造船の町とも言われます。部屋の窓から今治城が見えます。ずいぶん昔に仕事で来た時にお城を拝見したことがありますが、女のお化けを描いたおどろおどろしい掛け軸が記憶に残っています。下の写真は仙遊寺境内からしまなみ海道を望んでいます。
 翌朝、最初に訪ねた南光坊さんでは、立派な仁王像に改めてご挨拶、広い伽藍に鎌倉、室町時代に建てられたお堂が目を引きます。白川密成さんがご住職を務める栄福寺さんでは、足腰の健康守(仏足、錫杖)ストラップをいただいて帰りました。
     今回も寺々で言い伝えのお話しを伺いました。穴の開いた石の縁をタワシで擦ると下の病気をしない、目の霊仏・一畑薬師さん。願いを込めて握手すると願いが叶うお大師さん。祈りながら撫でるとどんな病気でも治るといわれる薬師の壺など。そんな話しを聞くと、みなそれを撫でる。不思議なものです。
 こうして暑い夏も、そろそろ終盤を迎えるのでしょうか。でも、今年は残暑が厳しいとも言われます。まだコロナに一度も罹ったことのない身ですが、歳が歳ですから、日々の健康には気をつけてもうしばらく動きまわってみたいと思っています。

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