上部スペイン、ポルトガルの地図でブルーの線は2004年のキャンプ旅行、赤線は2010年の旅、今回の旅は黒線で表したが良く見れば3回ともポルトガル南部だけは重複している。それだけ南ポルトガルは気候がよく居心地もよく、どれだけ居ても飽きることがない。
ヨーロッパ各地からの元気な退職者がこの地で5-6ヶ月越冬するのも当然かも知れない。
1月上旬から2月10日過ぎまでに雨が降ったのが2時間ほどだったと言うからこの国は今年の夏は旱魃になるのじゃないかとひそかに心配している。でも私たちの居る間は降って欲しくないと勝手なことを考えている私。毎日青空だけどTシャツで歩けるようになったのは2月も半ば過ぎからだった。
キャンプサイトから町へ行く途中の道端に、あるこの巨大な植物は下のほうから花が咲き始め、ずんずん上に進んでいるが、あまりの重さに自分の体重が支えられ無いようだ。無数の花にはミツバチが這い回って蜜を吸っている。このサイトに3週間居て、毎回町へ出かけるたびに花を観察していたが、まだ3分の2くらいまでしか花が咲いていなかった。
ある日キャンパーの近くの木に緑の小さなカメレオンが上っているのをドイツ人の隣人が見つけた。周りのキャンパーからもいろいろな国籍の人たちが見に来てひとしきり賑やかだった。ポルトガルにもカメレオンが生息するなんて思いもしなかった。このカメレオン、周りの騒ぎを屁とも思わず悠々と木の上まで登り、木の葉と同化してしまったので、翌朝はどうなったものかは誰も知らない。
私たちのキャンパーの後ろには誰も住んでいない英国車のキャラバンがあり、その人たちが残していった猫が居る。この猫を周りの人たちが毎日餌をやって面倒見ているらしい。その餌を狙って毎早朝、尾長にブルーのきれいな鳥がたくさんやってくる。猫としては自分の食料を奪われるのが面白くないらしい。木の上に登ってこの鳥達を狙っているが、賢い鳥は猫をからかって木の先端を飛び回り、まるでトムとジェリィの漫画を見ているみたいだった。
散歩の途中に見かけたポルトガルの案山子、ところ変わると案山子もこんなにファショナブルになる。まだ日の暮れない空に浮いている銀色の三日月、確か去年もこの頃に月を写したっけ。
オルニャオのサイトのすぐ近くには野鳥保護地域があり、散歩がてら数回訪れた。千鳥やかもめや鴨に混じって20数羽のフラミンゴが餌を食んでいる。それにしてもあの細い足で片足で立って眠れるなんて・・・・・・。
オルニャオから隣の町フゼタ(Fuzeta)まで遠出した。片道2時間で線路脇の真っ直ぐな農道(塩道?)の横から海までは塩田が広がっている。2月末のこの国は春の真っ盛り、野生の花が色とりどり、野鳥も多種見られる。
真平らな塩道もフゼタ近くになると岡のうえに真っ白の町が見えはじめ、道路と平行に走る電車は一時間に一本くらい、電車の胴体の落書きが余りにひどい。