ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

立春のころ

2022-02-08 23:12:03 | Weblog
浮かない顔
というより暗い
暗いというより鬱である
他人を拒否しシャッターを押してしまっている顔
全身を包む暗愁にはなぜか見覚えがあった
……(中略)……
彼の視線を辿れば
そこに 夕富士
あたりいちめん葡萄酒色に染めながら
折しも陽は富士の左肩に沈むところ
武蔵野にあるこの駅から見て
富士の右肩に陽が沈むようになれば
だんだん春もほぐれてくるのだった
……(後略)…


この一編の詩はちょうど今頃の季節を詠ったものではなかろうか。
「武蔵野にあるこの駅」とは
西武池袋線の保谷駅だと思う。

保谷に住んだ詩人は
みごとにこの季節を表現した。
『青年』と題する詩のなかで。

「暗愁」といえば五木寛之氏の講演を思い出す。
主題が「暗愁」だった。
でも、この青年は五木さんではないだろう。