1.青春の挫折と復活-新たなる旅へ
国鉄時代に企画された企画切符に「青春18きっぷ」がある。
これは国鉄末期に近い1982年に「青春18のびのびきっぷ」の名称で登場、
翌年から「青春18きっぷ」に改称され、国鉄分割民営化後の現在まで続いている。
国鉄末期の増収策として、若者向けに普通列車自由席の旅を気楽に愉しんでもらおうと企画され、
名称に“青春18”と付けているが、購入に関して年齢制限はなく、
昨今の鉄道ブームもあって若者だけではなく、年齢を重ねたリタイア世代にも好評である。
主に学生が長期休暇に入る春、夏、冬に発売され、春季は利用期間が3月1日から4月10日、
夏季は利用期間が7月20日から9月10日、冬季は利用期間が12月10日から翌年1月10日となる。
発売期間は概ね利用期間より10日ほど前倒しとなり、利用できる列車は快速を含む普通車自由席となる。
グリーン車自由席にはグリーン券を購入すれば乗車は可能だが、
新幹線を含む特急、急行などは利用が不可能で、特急券を購入しても乗車運賃は有効にならない。
ここら辺の他の企画切符とは根本的に違うところである。
利用回数は利用期間内に5回で、必ずしも連続している必要はなく、
また同一工程に限り複数での利用も可能である。
毎年この「青春18きっぷ」を利用して主に夏休みに旅行を企画していた。
今年の夏もこの切符を利用した旅を企画していて、年の初めの頃からホテルの予約などもしていた。
2017年の予定としては8月の第3週の金曜日に有休を取得、
2泊3日で山陰本線の乗り潰しに挑戦することにした。
これに併せて益田と鳥取でホテルを予約、
行きは空路を利用することとして羽田空港発山口宇部空港行きのANA3811便も予約した。
5回(人)分のうち、ここで3回(人)分を使用、残りが2回(人)分となったため、
7月第3週の土日に1泊2日で長浜鉄道スクエアと九頭竜線の旅を企画した。
土曜日に長浜鉄道スクエアの見学と福井鉄道の電停取材、
福井駅前に1泊して翌日九頭竜線を乗り潰して金沢から帰京する。
これに併せてホテルも予約していた。
ところが、5月末に家庭の事情で突然外泊を含めた旅が難しくなり、
いろいろ迷ったが今年の“青春18きっぷ”の旅は断念することにした。
当然、事前に予約した益田、鳥取、福井のそれぞれのホテルは予約をキャンセル、
空路だけはキャンセルせずに8月18日に日帰りで宇部線の乗り潰しだけをして、
新下関から新幹線で帰京するという日帰り旅を割引切符なしで実費の旅に降格して実行することとした。
ところがその後、家庭の事情が好転し、外泊も不可能ではなくなったため、
再び“青春18きっぷ”の旅を再始動することにした。
しかし予約したホテルのうち、益田は再予約可能だったものの、
鳥取と福井は既に満室となっていた。
そこで山陰本線乗り潰しはいろいろと精査し、豊岡だったらホテルが取れることが分かった。
そこで予定を見直して益田と豊岡に1泊ずつするという企画に変更した。
しかし福井駅前では別のホテルを見つけることも不可能で、
結局長浜鉄道スクエアと九頭竜線の旅の企画自体を断念することにした。
青春18きっぷの残りの2回(人)分については既に7月になっていることから宿泊は断念、
7月22日土曜日と29日土曜日の2む週に渡って日帰りの旅を企画することとした。
その1回(人)目の旅として企画したのが井原鉄道と水島臨海鉄道の旅である。
これは青春18きっぷの旅に関していくつが原案を作っていたうちのひとつで、
こんなにすぐに企画が実行に移されるとは思っても居なかった。