ジャコモ・バルラ 「綱で引かれた犬のダイナミズム」
今、ものすごく驚き、大事なことを忘れていたと後悔した。
6月が、あっという間に消し飛んでしまったような感じなのだ。
なんというか、それほど精神的に疲れきっていたのだと思う。
毒が、断続的に流入し、浄化作用を上回っていて、最近では睡眠にまでその影響を及ぼしていた。
けれど、涼しさの助けもあって久しぶりに眠れ、気持ちがやや上向きになっている。
だから、スピードを描いた、ジャコモ・バルラ 「綱で引かれた犬のダイナミズム」の絵をここに貼ろう。
シンプルな色と構図が、高速回転する足の残像で、スピードを可視化している。
それがとても面白く可愛い。
1912年あたりに描いたものだが、もちろん大真面目、ずいぶんと思い切ったことをしたものだと思う。
未来派という名にふさわしい、先取り感覚だ。
おかげで、鬱々と疲れきっていた私の心の澱を蹴散らしてくれて、今はかなり気分がいい。
絵というものは、自分のペースで向き合える、違う世界が存在する。
ほとんどが、自ら赴かなければ出会えないけれど、求めるならば、いつでもその扉を開いてくれる素晴らしい世界がある。
こうしてたびたび絵に心を救われることが、これからもあるだろう。
そして、自分もそのような世界を作り出したいと願っている。