メロッツォ・ダ・フォルリ「リュートを弾く天使」
ルネサンスの芸術が花開いた時期に、奏でられたであろう瀟洒なリュートの音色を、往時に思いを馳せながら聴いてみる。
絵画・彫刻・建築・文学は、厳しい宗教の制約を抜け出て、自由さを取り戻していたこの時期、いまだに音楽は教会の厚い庇護の元に、宗教音楽が主流だった。
しかし、時代の気運は音楽を置き去りにはしない。
ルネサンスといえば、イタリアが中心を占めていたけれども、音楽においては、ブルゴーニュ、イギリス、フランドル地方が活躍していたが、今日聴いている作品は、イタリアの作曲家によるものだ。
フランチェスコ・ダ・ミラノのリュート曲、リチュルカーレとファンタジア。
他に、フランチェスコ・スピナチーノとヴィンチェンツォ・カピロラの曲が収録されている。
演奏者は、クリストファー・ウィルソン。
いずれも、リュートの音色が暖かい愛すべき小品。
あたかもリュートから、音を一つ一つそおっと手で包み取り出すような情景が眼に浮かぶかのよう。
ゆったり気持ちをリラックスさせてくれる、天使の癒しをありがたく受け取ってみよう。
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