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羽を休める場所はどこですか?

2023-08-28 16:28:43 | 随想たち

とあるフライヤーのために描いた猫

元小さい人が、週末帰省していた。
どうやら、就活でエネルギー切れをおこしたようだ。
不器用なうえ人一倍緊張するタイプである元小さい人は、おおかたの就活生のバイタリティーに遠く及ばないため、ことさら堪えているという。
そこで元小さい人は実家に帰り、心の武装を解除し休養と、慣れ親しんだ料理で栄養を摂るのだ。
元中くらいの人の時折帰省する動機は、ほぼ似たり寄ったり。
親の庇護から巣立ったならば、自分の羽で飛び続けなくてはならない。
だから、巣立ちから日が浅いほど、巣に戻るスパンは短い。
そのうちに、自分の拠点となる居場所を拵えられたなら、古巣は遠くなるのだろう。
できれば羽を休める場所は、もうひとつあると心強い。
場合によっては、拠点がいつも安全な場所とは限らないし、二つあると心に余裕が生まれやすい。
間違っても、別の意味の親密なところと誤解なさらぬように。
その羽を休める場所は、必ずしも人がいるところでなくてよい。
心安らぐお気に入りの公園、思い出深い街、コーヒーの香りと静かな音楽の流れる場所など、自分がリラックスできるところでいいのだ。
元中くらいの人には、そのような場所ができたらしい。
元小さい人にも、そのような場所ができること願おう。

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