Nicolas de Staël, Paysage de Provence, 1953,
今年の梅雨は、なかなか明けない。
生を受けてこの世界の仲間入りをしたとき、心地よく守られていた環境からの激変で暑いと感じたためなのか、夏が苦手な私でも、さすがに毎日雨と曇り続きで気持ちが鬱々としてしまう。
抜けるような青空が恋しい。
もちろん、今はとても便利な環境が整っていて、空調の効いた部屋で世界各地の景色や宇宙からの地球さえ見られてしまう。
それらの映像は、より美しく見えるように効果的処理がなされ、しかも雰囲気を醸成するようなBGMまで加えてある。
人の感性のフィルターを通して触れるそれらと、ド・スタールの絵のどこに差があるのかといわれれば、なんら代わりがないのかもしれない。
けれど、今、付加される音はいらない、場面の変化もいらない、ただ静かにあってほしい。
流れ去るものは欲しくない。
青の世界があればいい。
ときにはとまって、瞑想に耽るのも必要なのだと思う。
だから、この青に静かにダイブするのだ。
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