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宇宙よりも遠い場所

2018-04-19 22:38:51 | 随想たち
アニメの「宇宙よりも遠い場所」を見ている。
タイトルは、元宇宙飛行士 毛利衛さんの言葉で、2007年に南極の昭和基地に招待されたとき「宇宙には数分でたどり着けるが、昭和基地には何日もかかる。宇宙よりも遠いですね」に由来するという。
さまざまな個性の女子高生たちが、それぞれの思いを抱いて南極を目指すストーリー。
その過程で起こる心のぶつかり合いや、自分の内面と向き合う場面は、思春期だからというばかりではなくて、人が生きていくうえで必ず立ちはだかる問題でもある。
自分自身よくわかっていない自分をもてあまし、孤独を納得していたつもりでも本心は人とのつながりを求めて、不確かで実体のない友情に憧れる。
人と人との距離は、宇宙よりも遠い場所である南極よりさらに遠く、しかし時には最も近いものでもあったりすることが、伝わるような作品だ。
これは、ずっと感じてきたこと。
でも、時々訪れる「ゼロ・ディスタンス」を感じられるから、生きてこられた。
しかし、それを得られない人たちに出会うとき、底なしの無力感と絶望に打ちひしがれる。
何とかしたいと思い試行錯誤をしながら、最後は強く祈ることしかできない。
「宇宙よりも遠い場所」それは、「人の心」そう思えてしまうのであった。



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