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アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

花を買って飾ること

2013-09-13 16:02:43 | 趣味たち
趣味とはいえないかもしれない。
ここ数年、切花を買って飾ることなどないから。
絶えずとうわけではないけれど、庭のどこかしらには花が咲き、飾る花に困ることはない。
しかし、花屋で花を買って飾るということは、ちょっと特別だ。
買いやすいようアレンジした300円程度の花束を見ると、つい衝動買いしたくなる。
自分好みの色や花を選んだ花束を、時には奮発して飾りたくもある。
家に帰り、花束にふさわしい花瓶に花を生けると、その空間が輝きだして、普段の暮らしに彩を注す。
花が萎れていくのは寂しくても、枯れるこのとない絵とは違ったベクトルの一瞬の美の尊さを感じられる、代えの効かないものなのだ。

たまに歩く東京の街の花屋は、街によって個性が違って面白い。
渋谷の文化村あたりにある花屋は、色味を抑えて個性的。
銀座は、豪華で派手にも上品にもできそうな品揃え。
上野は、色とりどりのにぎやかだけれど大げさにならない花たちを控えさせている。
パリでもそうだった。
地区や住む人たちの民族性の違いなどによっても好みなどがあるのだろう、花屋は見事に街を写し取っていた。

花を買うこと、それは不要なものを必要とする行為。
必用なものだけで生きていては、心が貧しくなってくると感じることがある。
お酒もお菓子も、食べなくても生きていけるけれど、ないと物足りない。
花はさらに不必要なもの。
絵はもっと不要なもの。
それでも花は、気軽に手に入れられる不必要品。
花を買う、それだけでなにか思い切ったことをするように感じるのは、私だけだろうか。
思い切って買った花を、大切に可愛く思い眺めて心が癒されるならば、その価値は高い。
そうだ、今度、花を買おう。


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